東京都議会情報公開条例案趣旨説明

平成11年第1回定例会
本会議最終日3月11日
松本文明

 近年の社会経済状況の著しい変化や地方分権の具体化により、地方自治は、今まさに新しい時代を迎えようとしております。地方公共団体の自己決定権・自己責任はますます拡大し、それに伴い、住民の代表組織である議会の役割は増大し、住民に身近なより「開かれた議会」を実現していくことが、大きな課題となっております。

 東京都議会では、こうした状況を踏まえ、平成9年10月、議会運営委員会のもとに情報公開の検討組織として専門部会を設置し、都議会における情報公開のあり方について、具体的な検討をすすめてまいりました。

 専門部会では、学識経験者やマスコミ関係者からの意見聴取を含めた延べ20回に及ぶ会議の開催、他の地方公共団体への調査を行うなど、精力的に協議を重ねてまいりました。

 その結果、都民の意志を代表する都議会は、知事とは独立した議決機関であり、執行機関とは別個の独自の情報公開制度を設けるべきとの結論に達し、平成10年7月、東京都議会の情報公開条例素案をとりまとめました。

 さらに同年11月以降は、この条例素案をもとに、より具体的な条例案の内容について検討を進めてきたものであります。

 この度の東京都議会の情報公開条例案の特色は、これまで行ってきた「会議の公開」及び「都議会情報の公表・提供」をさらに積極的に進めるとともに、その上で、「個別請求に係る公文書の開示制度」を導入することによって、都議会の情報公開を幅広く総合的に推進するものであります。

 また、こうした都議会の情報公開を進める推進組織として、都議会に新たに「東京都議会情報公開推進委員会」を設置し、より開かれた都議会を実現するため、今後とも引き続き積極的な協議を進めていくことといたしました。

 今まさに21世紀を目前に控え、国から地方への分権化が具体化する中で、自治体が主体となった新たな時代にふさわしい社会環境の整備と住民福祉の向上が求められております。

 東京都議会は、このような来るべき社会情勢の変化を見据え、住民の代表機関として、日本の新しい地方分権の時代にふさわしいより開かれた議会の実現を目指すべく、ここに全国に先駆けて議会独自の東京都議会情報公開条例案を提案するものであります。

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