東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う緊急要望

 平成23年4月7日付けで、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県の7県の議長と東京都議会議長の連名で、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う緊急要望を、関係省庁及び関係機関に行いました。


要望先
内閣府(消費者及び食品安全担当)
厚生労働省
農林水産省
民主党
自由民主党

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う緊急要望書

平成23年4月7日

福島県議会議長  佐藤憲保
茨城県議会議長  田山東湖
栃木県議会議長  野田尚吾
群馬県議会議長  関根圀男
埼玉県議会議長  小谷野五雄
千葉県議会議長  鈴木良紀
東京都議会議長  和田宗春
神奈川県議会議長 田島信二

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、国民に大きな不安を与え、その推移を見守っている状況にあるが、その収束に向けては長期化が見込まれるとの見通しが示されるなど、依然として予断を許さない状況が続いている。

 一方、原子力災害対策特別措置法に基づく国の指示等により出荷制限を求められた農業者や酪農家は大きな被害を被り、出荷制限対象でない品目についても、当該県又は地域で生産、加工されている事実のみをもって消費者はもとより市場・流通関係者から忌避される風評被害を生じており、深刻な影響を及ぼしている。

 さらに、長年にわたり供給の利益を受けてきた大消費地である首都圏においても農産物と生産物を廃棄することによる品不足や価格上昇を招く懸念があるなど消費者に影響が及びかねない状況となっているほか、市場・流通関係者においても動揺の声が上がっており、こうした動きは断固遮断しなければならない。

 ついては、国において、食品の安全性を確保するとともに、情報を正しく迅速に発信し、その流通の円滑化等を図るため、当面、以下の対策を早急に講じるよう強く要望する。

  • 食品衛生法による暫定規制値は非常に厳しい基準となっていることから、国際的見地に照らし合わせ早急に見直しをすること。
  • 原子力災害対策特別措置法の下に、放射能汚染調査のための農林水産物の収去の権限や、出荷制限に関する判断基準などを規定し、農林水産物等の安全性を体系的に確保できるよう、国において制度及び体制の整備を図ること。
  • 原子力災害対策特別措置法に基づく農林水産物の出荷等を制限する品目や区域の解除は、判断基準に基づいて迅速に行うとともに、地域や栽培形態ごとに弾力的に自粛要請を解除すること。
  • 出荷自粛を求められた農林水産業者や、風評による価格下落などの被害を被っている関係事業者に対して、直ちに補償基準を明確化し、早急に仮払いを行うなど、東京電力及び国の責任において万全の補償を行うこと。
  • 農地における放射性物質の状況と農作物に対する影響を把握し、科学的知見に基づき今後の営農に関する方針を都道府県と十分に協議した上で早急に策定すること。また、営農について規制的な措置を講ずる場合には、東京電力及び国の責任において農業者に対する十分な補償措置を講ずること。
  • 農林水産物や飲料水に対する放射能測定の結果、安全性が確認された場合には、国において積極的に広報等を行い、風評被害の防止と平常の流通に努めること。

厚生労働省(左から二人目が大塚厚生労働副大臣)
厚生労働省(左から二人目が大塚厚生労働副大臣)

民主党(右から二人目が藤村民主党幹事長代理(党東日本大震災対策本部事務局長))
民主党(右から二人目が藤村民主党幹事長代理(党東日本大震災対策本部事務局長))

農林水産省(左が鹿野農林水産大臣)
農林水産省(左が鹿野農林水産大臣)

内閣府(中央が末松内閣府副大臣)
内閣府(中央が末松内閣府副大臣)

自由民主党(右から額賀衆議院議員(党原発事故被害に関する特命委員会委員長)、谷垣自由民主党総裁、梶山衆議院議員(党原発事故被害に関する特命委員会事務局長))
自由民主党(右から額賀衆議院議員(党原発事故被害に関する特命委員会委員長)、谷垣自由民主党総裁、梶山衆議院議員(党原発事故被害に関する特命委員会事務局長))

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