平成二十二年度東京都戦没者追悼式
議長追悼の辞(八月十五日)

 本日ここに、ご遺族をはじめ、関係者の皆様、多数ご参列のもと、「平成二十二年度東京都戦没者追悼式」が執り行われるに当たり、東京都議会を代表いたしまして、謹んで戦没者の御霊に追悼の誠を捧げます。

 六十五年前の本日、八月十五日、灼熱の蝉時雨の中、正午より昭和天皇の詔書が放送されました。天皇陛下は八〇二文字、四分四十七秒の中に万感をこめて終戦を宣告されました。

 ひたすら、ご家族の平安と祖国の安寧、発展を祈りつつ、散華された三百万余の方々の最後を思う時、今なお、胸に迫り、誠に痛恨の極みでございます。

 今、私たちが享受する平和と繁栄は、こうした尊い犠牲の上に築かれてきたものでございます。

 この事実を風化させることなく、戦争の惨禍を深く心に刻み、若い世代に詳細を語り継いでいく責務があります。

 本年の広島・長崎の原爆祈念式典に潘 基文(パン ギムン)事務総長、アメリカ駐日大使をはじめとする諸外国要人の参列は非戦、非核の第一歩と考えます。

 東京都議会といたしましても、すべての都民が真に豊かな生活を送ることのできる平和な社会を構築するため、より一層の努力を傾注してまいる所存でございます。

 沖縄と同じく日本本土での交戦があった東京都の硫黄島での遺骨収集の試掘が言われている現在であります。硫黄島の遺骨収集 終わらずして東京都の戦後は終わらないと考えます私といたしましても、大いに首肯するところであります。

 結びに、全ての御霊の安らかなご冥福と、ご遺族の皆様が助け合い、励ましあって、ご健勝・ご多幸で生活されますことを心から祈念申し上げまして、追悼の言葉とさせていただきます。

平成二十二年八月十五日
東京都議会議長 和田宗春

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