東京都議会情報公開推進委員会速記録第七号

平成三十年十二月六日(木曜日)
第十四委員会室
午後一時三十分開議
出席委員 九名
委員長   栗下 善行君
委員長代行 岡本こうき君
      藤井あきら君
      大松あきら君
      高橋 信博君
      小松 大祐君
      白石たみお君
      宮瀬 英治君
      おときた駿君

欠席委員 なし

本日の会議に付した事件
常任委員会のインターネット中継について

○栗下委員長 ただいまから情報公開推進委員会を開会いたします。
 常任委員会のインターネット中継についてを議題といたします。
 引き続き、常任委員会のインターネット中継を本格実施する場合の具体的な時期や方法等についてご協議いただきたいと思います。
 先月行った二回の委員会で、自民党さんから、本格実施するに当たっての懸念や課題について、さまざまご発言がございましたが、本日、改めて整理してお示しをいただくことになっておりましたので、ご説明を願います。

○高橋委員 十一月二十一日、三十日と二回の委員会を通しまして、本格実施前の議論が足りないのではないかとの課題提起をいたしました。これまで申し上げた課題のうち、少なくとも本格実施開始前に確認をしておくべき事項を改めて二点申し上げます。
 まず第一点は、事前に想定される事態への対応は、あらかじめ運用ルールを決めておくべきであります。
 当然、委員会は公開であり、全て配信することが大前提ではありますが、例えば、映像の保存年限や二次利用など、映像管理をどう考えるのか、そして、画像の公開をちゅうちょされるような参考人等がいた場合や、緊急事態で会議そのものが中断された場合の取り扱いはどうなるのか、議事録上の発言を取り消すような場合には、映像、音声はどうなるのか、各議員は、ホームページやSNSで二次利用できるのかできないのか、こうした点について、本格実施が始まる前にこの委員会で取り扱いを検討し、実施要綱のような形で整理しておくべきと考えております。
 二点目は、本格実施の前後を問わず、都民ニーズの把握や継続的な検証が必要ということであります。
 始めたらやりっ放しではなく、試行した委員会の関係者はどう思っているのか、視聴者や都民はどう感じているのか、都議会としてアンテナを張り、よりよい情報公開に向け、改善すべき点は改善する努力を重ねていくべきであると考えております。
 こうした点について、本格実施を判断する前に議論をする必要性があると考え、二回にわたり問題提起をいたしました。
 特に、今後、各常任委員会において、インターネットを効果的に活用し、都民の関心に資する会議運営を各常任委員会委員長が責任を持って行っていく上でも、最低限の事前ルールをこの委員会で確認し、要綱に反映していくことは、大変重要であると考えます。
 議長から調査依頼を受けた当委員会として、責任を持ってきちんと調査を行い、報告すべきと考えております。
 以上でございます。

○栗下委員長 発言は終わりました。ありがとうございました。
 高橋委員に一点ご確認をさせていただきたいんですが、前回の委員会も通して、本格実施時期を少しおくらせてでも、運用ルールを定めていくべきという趣旨のご発言がありましたが、実施時期についてどのようにお考えですか。

○高橋委員 実施時期につきましては、インターネット中継の拡大そのものは大賛成であります。今申し上げた点について、この委員会で事前確認すべき点は確認した上で、平成三十一年度中の実施の見通しをつけるべきと考えております。
 そもそも、平成三十一年度中の実施を目指すということには賛同して進めております。我が会派が申し上げた内容が確保されるのであれば、平成三十一年度中のいつがよいかは、委員長にお任せをいたします。

○栗下委員長 ありがとうございます。
 それでは、実施時期の件も含め、自民党さんのご提案について発言がある方はお願いをいたします。

○大松委員 ただいまの高橋委員からご説明のありました自民党の提案のこの要綱づくりにつきまして、大変重要な提案でありまして、高く評価して賛同をするものでございます。
 このインターネット中継に当たりまして、前回の委員会でも、高橋委員の方から言及がありましたけれども、議員、また都職員以外の例えば参考人の方においでいただいて、発言をお願いする際には、本人の意向であったり、また、インターネット中継することによってその方の生活に影響が出るような場合は、例えば静止画、そして音声のみといったような配慮が求められるというようなことが考えられるわけでございますので、国会また都議会では過去にそうした事例があったと伺っておりますので、あらかじめそうしたルールを明文化しておくことによりまして、円滑な議会の運営に資するものと考えるわけでございます。
 そして、実施時期につきましては、ぜひ来年の第三回定例会においてインターネット中継が開始できるように、それに間に合うように、この要綱づくりを急いでいくべきと考えるものでございます。
 特に、第三回定例会は、その翌年の東京オリンピック・パラリンピックの一年前に当たる時期でございます。そして、三定、四定、一定とですね、議論が具体化、深まっていく、そうした流れが出てくるのが三定でございますし、三定の九月は台風の季節でもありまして、また暑い日もまだ続いているという季節でございますので、オリンピックに向けた暑さ対策、そして災害対策の議論も活発に行われる定例会であると考えますので、この第三回定例会から中継を開始することの意味は、大変大きいものがある、このように考えるわけでございます。
 そして、都民の意見を聞くという仕組みづくりのお話がございましたけれども、これも大変重要な提案でございますので、これにも、公明党として賛同をするものでございます。
 高橋委員もお話ありましたように、このインターネット中継、よりよいものにしていく、改善をし、続けていくためにも必要なものでございまして、都民の声を聞いていく、この仕組みづくり、体制づくりも、来年の第三回定例会のインターネット中継の開始に向けた作業と並行して行っていくべきと考えるものでございます。
 そして、前回の委員会で議論になりましたインターネット中継に伴って、質問時間の配分のあり方、キャップ制度等々につきましては、我が党といたしましては、この点につきましては、当委員会で審議をする議案にはなじまない、このように考えております。
 そして、録画した映像を要約編集して公開するという点につきましては、情報公開の趣旨から鑑みまして、要約編集をしないで全編のみを公開することが基本である、このように考えているところでございます。
 以上でございます。

○栗下委員長 そのほかございますでしょうか。

○藤井委員 まず初めに、都議会自民党さんが当初の議論のとおり懸念点を明確にしていただきまして、事前確認をすることで、来年中、第三回定例会での全委員会での実施について前に進めていただけたことを心より感謝いたします。
 高橋委員からご指摘のありました要綱、そして都民ニーズの把握の仕方に関して、それぞれ意見を述べさせていただきます。
 要綱に関しましては、これまで、平成十二年から本会議、そして平成十三年からは予算特別委員会で、インターネットの中継というものがなされてきております。それに先立ちます平成三年に、庁内CATVによる議会中継放送の実施要領というのを議運で定めており、それに基づいてこれまで運用してきて、大きな問題は出てきていないものと聞いております。
 とはいうものの、本会議や予特、大きい会議とは、常任委員会、運用が違う面も出てまいりますので、そういった点を明確にして、委員会で混乱が起きないように、要綱に定めるというのは重要であると考え、賛成をさせていただきます。
 加えまして、都民ニーズの把握に関しましても、今後、本格実施をしてくる中で、都民の皆様からさまざまご意見があることは想定できますので、そういったものをきちんと把握して改善していくことも、非常に重要であると考えております。
 高橋委員からご指摘のありました改善すべき努力を続け、改善し続けるという点にも、賛成をいたします。
 これらの二点のご懸念点ですが、こちらを踏まえまして、時期というものは、もともとの議論のありましたとおりなるべく早くというところは、思うところではあるんですが、来年の第三回定例会で実施をするということで進められるものだと、我が会派、都民ファーストの会としては考えておるところでございます。
 以上です。

○栗下委員長 ありがとうございます。

○白石委員 自民党さんからも課題が二点出されました。事前に最低限のルールを定めようということについては、本会議場での中継であったり、先ほど出ましたけれども、予算特別委員会での中継での最低限の要領もやられていますので、それと、逸脱しないように、整合性合うように、事前にルールを議論して定めていこうということについては、反対するものではありません。
 しかしながら、前提としては、つまびらかに都政を透明化していこうということですので、やはりそこに抵触しないように、基本的には都民が全て都議会での議論を見られるような、そういうふうな形でのルールづくりが重要かなというふうに思っております。
 二点目の課題について、都民の声を聞いてよりよいインターネット中継にしていこうということについては、我が会派としても賛成です。やはりインターネット中継で、見る側ですね、都民がより見やすくしていくという中では、中継を全常任委員会に広げながら、その都度、声を聞きながら改善をしていくということは、この情報公開推進委員会でもこの間議論し、確認をしてきているところでありますので、しっかりと都民の声を聞いて、よりよいものにしていきたいということも思っております。
 開始時期については、来年の第三回定例議会からが最速だということで、やはり一刻も早く広げるという点では、自民党さんから出た課題をしっかりと議論もしながら、第三回定例議会で開始するというふうなところを推進していこうということを改めて強調させていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○宮瀬委員 私どもの会派もおおむね賛成でございます。
 一方、今回の議題とはなっておりませんが、常任委員会のインターネット中継の規約の策定というのはする一方で、特別委員会等の方も、保存期間をどうするのかといった問題等、規約づくりもいずれ必要ではないかなと思いますので、また違う場で、しかる形で議論していった方がいいのではないかなと思っております。
 以上でございます。

○おときた委員 自民党さんからいただきましたルールをつくるべき、要綱をつくるべきというのは、建設的なご提案であり、必要なものであると我々の会派も理解をし、賛成するところであります。
 また、都民の声を聞くべきだというのもごもっともでありまして、これは時期にかかわらず常に必要なものであると考えております。
 ただ、いずれの提案にいたしましても、これからの契約手続であるとか、全面実施に向けたものと並行して行えるものであると思いますので、そういったルールづくり等々は進めつつも、やはり最速の日程を目指して進めるということをお願いしたいと思います。
 それがもし決まるということになれば、契約の諸手続に入ると思いまして、ネット中継を具体にどうするかは、競争入札等々で業者を選定していくと伺っておりますけれども、そこについては、透明性や競争性というのをしっかりと確保した形で進めていただきたいということを申し上げて、意見としたいと思います。

○栗下委員長 ありがとうございます。
 さまざまご意見をいただきました。
 自民党さんからご提案がありました、本格実施前に要綱に盛り込むべき運用ルールをあらかじめ定めること、また、都民ニーズの把握や継続的な検証を行うこと、この二点については、各会派賛同するとのご意見でございましたので、本委員会で内容を協議し、取りまとめ、議長に調査結果として報告することでよろしいでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗下委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、本格実施前に要綱に盛り込むべき運用ルールの内容、都民ニーズの把握や継続的な検証を行う時期や方法について、ご協議をいただきたいと思います。
 資料の配布をお願いします。
 具体的な案について、広報課長から説明いたさせます。

○傳法議会局広報課長 私から、常任委員会のインターネット中継の運用案についてご説明させていただきます。
 資料をごらんください。
 1、中継内容は、委員会の開会から閉会までの委員会審議等でございます。
 2、配信方法は、東京都議会ホームページにおける同時配信及び録画配信でございます。
 なお、録画配信は原則として翌日から配信いたします。
 3、録画配信の期間でございますが、これは本会議、予算特別委員会と同様に、二期分を掲載いたします。したがいまして、新たな期が開始されましたら、前々期の配信を終了いたします。
 4、委員会休止時等の取り扱いでございますが、委員会の開会、終了時にはその旨を画面に表示いたします。委員会が休憩になった場合は、中継を中断し、その旨を画面に表示いたします。速記が中止になった場合には、音声の配信を中断いたします。
 5は、秘密会の取り扱いでございます。東京都議会委員会条例第十九条第二項に定める秘密会と決定した委員会につきましては、インターネット中継を行わないことといたします。
 6、配慮を必要とする場合の取り扱いでございますが、インターネット中継に当たり、委員長が配慮が必要と認める場合には、映像に必要な措置を講じることができることといたします。
 例といたしましては、参考人から撮影を控えさせていただきたい旨の意向などが示された場合や、急病人が発生した場合などが考えられます。先ほど、大松委員からも発言がありましたけれども、参考人からの意向を踏まえた対応につきましては、過去にも同様の事例がございます。
 7の発言の取り消し等の取り扱いでございますが、発言の取り消しの許可があった場合は、録画映像の当該発言部分を削除いたします。
 なお、取り消しの申し出から取り扱いが決定するまでの間につきましては、暫定的に当該部分及び関連部分を削除し、配信いたします。発言の訂正につきましては、音源に訂正を行うことはできないため、編集は行いません。
 8の著作権、リンク等でございますが、著作権は東京都議会に帰属します。リンクはホームページのサイトポリシーによるものといたします。
 また、ホームページにインターネット中継は東京都議会の公式記録ではない旨を明記いたします。
 9の実施方法の見直し等の調査でございますが、実施方法の見直し、検証等が必要な場合は、議長からの調査依頼に基づき、本委員会において調査することといたします。
 最後は、都民ニーズの把握についてです。
 都議会ホームページを活用したアンケートを、準備が整い次第、試行期間中から実施し、幅広く視聴者のご意見を集約してまいりたいと考えております。
 説明は以上です。

○栗下委員長 説明は終わりました。
 各会派のご意見をお伺いしたいと思います。
 順次、発言をお願いいたします。

○藤井委員 今、ご提示いただきました案について、意見を述べさせていただきます。
 これまでの庁内ケーブルテレビの実施要領等をもとにしながら、本会議と委員会で違う運用が必要な点に関して、明確にご記載いただいていることが確認できました。疑義が生じないようにしているという点で評価をいたします。
 なので、この内容について賛成はさせていただきます。反対するものではないんですが、一点、気になった点としまして、これも、今の本会議等のインターネット中継と同様だとは思うんですけれども、録画配信の期間、二期分八年間という形で、これはサーバーの容量であったりとか、コストの関係で、今はそういうふうになっているのだとは思うんですが、将来的には、やはり録画しているものは見られるようにしておいた方がいいんじゃないかと思いますので、そういった点も検討する必要があるんじゃないかなと思います。
 とはいいながら、現状できるところというところで、この要綱に関して賛成をさせていただきます。
 加えまして、都民ニーズの把握に関しましても、アンケート等の方法を利用して、迅速にご対応いただけるということで、賛成するものでございます。
 既に議会局ではグーグルフォーム等を使ってアンケートを実施することもあると聞いておりますので、大きな費用がかからず、簡単にアンケートをつくれて、意見の集約もできるというところで、これは非常にいいものではないかなと思っております。私も個人的に使うことはありますが、簡単につくれますし、費用も特にかかりませんので、うまく使っていただきたいなと思います。
 以上になります。

○栗下委員長 ありがとうございます。そのほかございますでしょうか。

○高橋委員 私が指摘した点については、おおむね反映されているものと思います。
 内容については持ち帰らせていただきますが、また細かい表現は、今後事務局で詰めていただき、要綱にまとめていただければいいと考えます。

○栗下委員長 そのほかございますでしょうか。

○白石委員 案については持ち帰って検討させていただきたいというふうに思いますが、おおむねインターネット中継のこの要綱案は、本会議場であったりとか、それから予算特別委員会での要領とおおむね一緒だというふうなところでは、そこはそこで大事かなというふうに思っていますので、先ほども述べましたけれども、やはり前提としては都民へ公開していくというふうな立場で、余り厳しくするとか、そういうふうなことのないように、持ち帰って検討した上で見解を述べさせていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○大松委員 先ほど、私どもも申し上げましたとおり、配慮を必要とする場合の取り扱いであるとか、あらかじめ想定される事態に対して対応できるルールが明文化をされておりますので、議会運営に当たりまして、円滑な運営に資するものと、おおむねそのように考えておりますので、持ち帰らせていただきたいと思います。
 私どもの主張が反映をされている要綱案と、このように評価をしております。

○宮瀬委員 持ち帰らせていただきます。

○おときた委員 現時点では、二点申し上げます。
 6番の配慮を必要とする場合の取り扱いにつきましては、他の委員からも指摘がありますように、この配慮というのが恣意的に運用されて、非公開というのが乱発されるであるとか、そういった事態がないように、どこまで細かく定めるかも含めて、慎重な検討が必要なのかなと思いますので、その旨を留意していただきたいということが一点。
 もう一点も、藤井委員から指摘がありましたが、録画配信の期間二期分というのは、これからの時代、やはりちょっと短いのかなと。基本的にこういったものはもうほとんど未来永劫残っていくということがデジタルアーカイブの時代だと思いますので、自前のサーバーで保管するということがコスト的に厳しいということであれば、国会中継のようにユーチューブのチャンネルを活用して、外部に出して保存するなど、そういったことも考えられると思いますので、こちらは要綱づくりの段階で決める必要はないとは思うんですけれども、中長期的にこれは見直していくという前提で進めていただきたいということは要望として申し上げておきまして、その他の点は持ち帰らせていただきたいと思います。

○栗下委員長 ありがとうございました。
 それでは、常任委員会のインターネット中継について、実施時期も含めて、今後取りまとめていきたいと思っておりますので、本件につきましては、各会派にお持ち帰りをいただいた上でご検討いただいて、次回の委員会において改めてご協議いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日予定していました議題は以上であります。
 この際、何かございましたら、ご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○栗下委員長 よろしければ、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十四分散会

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