東京都議会情報公開推進委員会速記録第七号

平成十四年十二月十六日(月曜日)
   第十四委員会室
   午前十時三十六分開議
 出席委員 六名
委員長 小山 敏雄君
委員長代行 服部ゆくお君
      和田 宗春君
      中山 秀雄君
      吉田 信夫君
      藤田 愛子君
 欠席委員 一名

本日の会議に付した事件
 学識経験者の選任について
 公文書開示の実施状況について
 東京高裁の判決結果について

〇小山委員長 ただいまから東京都議会情報公開推進委員会を開会いたします。
 初めに、学識経験者の選任について申し上げます。
 本件は、東京都議会情報公開条例第二十四条第五項に基づき、あらかじめ一年を単位として議長が指名することとなっております。
 現在、お手元配布の資料1のとおり、三人の学識経験者が選任されておりますが、この十二月末で任期が終了いたします。このお三方は、いずれも情報公開に関する幅広く高度な識見を有しておられ、都議会の情報公開制度にも精通されていることなどから、議長から、引き続き来年も選任する旨のご報告がございました。ご了承願います。

〇小山委員長 次に、公文書開示の実施状況について広報課長からご説明をいたさせます。

〇古田議会局広報課長 本年七月以降の当委員会でのご報告以降、本日までの公文書開示の実施状況についてご説明申し上げます。
 お手元配布の資料2、平成十四年度東京都議会の公文書開示実施状況をごらんいただきます。
 初めに、整理番号1及び2でございますけれども、いずれも平成十三年度の政務調査費に関する文書の請求でございます。
 このうち1は、政務調査費の交付についての文書でございます。これにつきましては開示の決定をいたしました。
 2は、政務調査費の支出についての文書でございまして、これにつきましては、口座情報、金融機関の担当者名の部分を非開示とする一部開示の決定をいたしております。
 3は、一般乗用旅客自動車供給契約の完了届、運行実績報告書でございます。一般乗用旅客自動車とは、いわゆるハイヤーを指します。本件につきましては、完了届の事業者の印影部分を非開示とする一部開示の決定をいたしております。
 次に、4の都議会議員の依頼により議会局が作成した依頼調査処理表及びその結果でございます。本件につきましては、去る九月に当委員会にご審議をいただきまして、その結果等を踏まえまして、非開示の決定をいたしております。
 次に、5と一つ飛んで7でございますけれども、対象がそれぞれ平成十四年六月分及び同年七月分のハイヤーの関係でございます。3と同趣旨の内容でございまして、一部開示の決定をいたしました。
 6はハイヤーの乗車票でございます。本件の文書は議長が管理しておりませんので、不存在の決定をいたしております。
 8は、海外渡航届でございますが、開示の決定をいたしております。
 9は政務調査費の調査実施記録でございます。本件の調査でございますが、政務調査費の交付条例施行規程によりまして、議長が必要と認めるときに行うものでございます。この間は実施しておりませんので、不存在の決定をいたしました。
 以上で報告を終わります。

〇小山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの報告について質問等はございますでしょうか。

〇藤田委員 3、5、7と6の違いをちょっと明らかにしていただきたいのですが。

〇古田議会局広報課長 ただいまの藤田委員のご質問は、3と5と7の経過ということで……

〇藤田委員 6の……

〇古田議会局広報課長 6でございますけれども、ハイヤーの乗車票という請求でございますけれども、これにつきましては、会派の配車責任者の方がハイヤーの会社に発注をいたします。それで使用後に、ハイヤーの会社から使用実績報告書並びに乗車票というのが議会局の方に返送されてまいります。ただ、このハイヤーの乗車票というのは、確認をした後に各会派の配車責任者のもとで保管をするという仕組みになっておりまして、議会局が管理しておりませんので、この6につきましては、不存在ということになっております。
 3と5と7につきましては、犯罪防止の観点から、印影の部分を非開示としたというふうなことでございます。
 以上でございます。

〇藤田委員 そうしますと、今の部分ですが、6に関して、請求書はどのような形で議会局の方へ行っていますか。

〇山中議会局副参事 ハイヤーの請求でございますけれども、各ハイヤー会社から一覧表の形で月ごとに請求書が参ります。それに従いまして、乗車票と確認の上、支出をしているという形でございます。

〇藤田委員 この問題は、議運のあり方検討委員会の中でいろいろ議論をされてきたかと思うのですが、実際にはとりあえず許可をする、いいですよ、使ってくださいということを許可するのはその会派の中の責任者がやると。そういうふうになって改善はされたと思うんですけれども、やはりここで私は、それをきちっと使ってもいいというようなことをいっているにもかかわらず公表ができないというのは、ある意味では非常に欠陥のある制度だなというふうに思っているんです。ですから、それぞれの会派でどこどこへ行って、その調査のことが、内容がわかるのが困るというようないい方もありましたけれども、やはり公金を使うわけですので、ここの部分は開示ができるような形をとってしかるべきだと思いますので、これはもちろん、ここの中で検討して解決ができる問題ではありませんので、ぜひ議会運営委員会、あるいはまたあり方検討会などで検討していただきたいと思いますので、ぜひ議長にその旨お伝えいただけるとありがたく思います。

〇小山委員長 ほかの方はよろしいですか。
   〔「質問はありません」と呼ぶ者あり〕

〇小山委員長 それでは藤田委員の意見を踏まえて検討--各会派で問題になりますからね、よろしくお願いをいたします。
 ほかに発言がなければ、本件については以上のとおりとさせていただきます。

〇小山委員長 次に、服部委員から、去る十月三十一日に東京高裁で判決のあった大統領と称する方と台東区との裁判について概要を説明してほしい旨の申し出がございました。
 本件について広報課長からご説明をいたさせます。

〇古田議会局広報課長 大統領と称する方と台東区との裁判の概要につきましてご説明申し上げます。
 大変恐縮ですが、お手元の新聞の切り抜きをごらんいただきます。
 まず、訴訟の発端でございますけれども、昨年の七月、台東区長あてに大統領と称する人物から請願書と題する書面が提出をされております。これに対しまして区側は、正しい氏名で再度提出することを求めまして、大統領あてにこの書面を返送したところ、自称大統領は、この返送行為が請願書の不受理という行政処分に当たるといたしまして、その取り消しを求めて裁判を起こしたものでございます。
 裁判の経過でございますけれども、平成十四年五月二十一日に、一審の東京地裁で台東区側の敗訴という判決が出されました。このときの判決の趣旨でございますけれども、他人と識別可能な名称が使われている限り、戸籍上の氏名である必要はないというものでございました。
 これに対しまして、台東区側が控訴いたしまして、平成十四年の十月三十一日でございますが、東京高裁におきまして、今度は区側の勝訴という逆転判決が出されました。この高裁判決の中では、大統領という呼称は個人の通称として社会的に定着しているとは認められないという点をまず指摘いたしまして、次に、日本国籍を有する者の氏名というのは、戸籍上の氏名であるというのが一般的であると指摘しております。
 さらに、区の担当者は、氏名を明らかにすれば受理する旨を繰り返し述べていることなどを指摘した上で、本件の不受理行為には何ら瑕疵は認められず、適法であるというふうにしたわけでございます。
 また、判決では、自称大統領が、同一内容の書面を多数の自治体に送付いたしまして、これに対し、大統領という名称で回答を返送した自治体がある事実に触れておりますけれども、これにつきまして高裁の方では、これは行政に関心を有する者に対する事実上の行為的措置というふうに十分考えられ、行政機関は積極的に大統領という名前を認めたものとはいえないというふうに断定しております。
 なお、この自称大統領は、現在最高裁に上告中でございまして、本判決の結果、まだ確定はいたしておりません。
 以上でございます。

〇小山委員長 ただいまのご報告について、ご質問等はございますか。

〇服部委員 ただいまのご説明をいただきましたので、その点については私の方も経緯についてわかりました。その内容についてちょっと幾つか、これは質問というよりも、意見といいますか、それを申し上げたいと思うんですが、何かこの委員会もいろいろ難しいようでして、プライバシーの問題とかいろいろあるようですから、委員長の方でこのまま発言を続けていっていいのか、どう扱われるか、まずご判断をいただきたいと思うんです。

〇小山委員長 前回非開示という部分があったようでございますので、できれば速記をとめてご発言いただければと思うんですが、よろしいですか。
   〔「はい」と呼ぶ者あり〕

〇小山委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

〇小山委員長 速記を始めてください。
 ご発言がなければ、本件については以上のとおりとさせていただきます。
 本日予定しておりました議題は以上ですが、この際何かございましたら、ご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇小山委員長 なければ、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前十一時一分散会

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