令和8年度税制改正の大綱に関する意見書
現在、都には、首都直下地震への備えや、インフラの整備・更新、少子高齢社会への対応など、直面する様々な課題に着実に取り組むとともに、東京ひいては日本全体の持続的な成長と発展をけん引すべく、積極的な施策展開が求められている。
一方、累次にわたる地方法人課税の不合理な見直しにより、本来都民のために活用すべき税源が、現在も国に年間1.5兆円の拠出を強いられている状況にある。
こうした中、国においては「地方税制のあり方に関する検討会」が設置され、本年11月には都の財源を狙い撃ちにして、地方法人課税や固定資産税を中心とした、更なる税収の偏在是正に向けた具体的方策の必要性が示された。
しかしながら、地方税は応益性を原則としており、このような地方税制度の根幹を否定する動きは、容認できるものではない。
令和8年度税制改正の大綱において、都の税源の更なる拠出を強いる、こうした新たな税制度の不合理な見直しにつながる内容が盛り込まれることはあってはならない。
日本が持続的に成長し続けるためには、限られたパイの奪い合いではなく、地方税全体の充実こそが重要である。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、令和8年度税制改正の大綱において、都税収入は都民のために使われるべきものである点を踏まえ、都民にとって理解と納得を得られるよう、適切に取り計らうことを強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月17日
東京都議会議長 増子博樹
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