私学振興に関する意見書

 東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、新しい時代に対応する個性的で特色ある教育を積極的に展開しており、東京都ひいては我が国における公教育の進展に寄与している。
 現在、都内の学校に在学する園児・児童・生徒のうち、私立学校に在学・在園する割合は、高等学校で約6割、幼稚園では約9割を占めており、私立学校が東京の公教育に果たす役割は極めて大きい。
 少子高齢化が進行する中で、持続可能な社会を創り上げ、社会課題の解決を図っていくためには、将来を担う子供たちの個性や能力を最大限に伸ばす教育の充実がますます重要となっている。
 こうした状況において、公立・私立あいまっての教育体制を維持し、各学校が新たな時代に対応した教育を実践していくことが必要であり、そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、令和5年度予算編成に当たり、私学教育の重要性に鑑み、教育基本法第8条に規定される「私立学校教育の振興」を名実共に確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持するとともに、次の事項を実現するよう強く要請する。
1私立高等学校等の経常費助成等に対する補助を拡充すること。
2私立高等学校等におけるICT教育設備の整備等に対する補助制度を拡充すること。
3私立高等学校等における耐震化、省エネルギー設備の導入、換気・冷房設備の整備など、施設・設備に対する補助制度を拡充すること。
4より一層の保護者負担の軽減を図るため、私立高等学校等就学支援金制度等を拡充改善するとともに、都道府県の行う補助に対する国の支援を拡充すること。
5都道府県の行う私立高等学校等奨学金事業に対する国の支援を拡充すること。
6私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 令和4年10月7日
東京都議会議長 三宅しげき
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣 宛て
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