平成二十五年東京都議会会議録第四号

〇議長(中村明彦君) 六番福士敬子さん。
   〔六番福士敬子君登壇〕

〇六番(福士敬子君) 今回の知事選は、石原都政の継承か転換かが争点となり、石原都政の継承を訴え、猪瀬知事が当選されました。副知事時代から独自に進めてこられたエネルギー政策は評価いたしますが、石原都政継承にはどのような意味とチェック体制があるのか、伺っていきます。
 石原前知事が国威発揚を掲げた東京オリンピック・パラリンピック招致は、知事も重要課題とされていますが、当初、東日本大震災の復興とされた目標は、立候補ファイルで大きくトーンダウンしました。
 福島原発事故により十六万人が故郷を離れ、帰る場所もない生活が今なお続き、余震もある中で、五輪に浮かれる余裕はないと私は考えます。
 子どもたちを少しでも県外で保養させ、それにより心と体の健康を取り戻すプロジェクトで被災地へ通う仲間がいます。福島の声を直接聞いたその方によれば、五輪の感想は、それどころではない、浮かれているのは東京だけといった意見が多く、オリンピックは何も関係がないという声も半数以上だったそうです。あすの生活が見通せない今の福島には、心のデフレなどの言葉遊びで気持ちは通じません。まして五輪が復興への目標になるとは思えません。知事は招致目的をどのように考えておられるか伺います。
 オリンピズムの根本原則には、人生哲学や肉体と意志と知性の総体としての人間を目指すとあります。目的も、人間の尊厳保持や平和な社会の推進とともに、スポーツを行うことは人権の一つとまで書かれています。
 しかし、日本スポーツ界には、根深い体質と思える指導者の暴力、パワハラの問題があります。昨年末、十五人の女子柔道選手が指導者を訴えた事件がありました。全柔道連が昨年九月に暴力行為を把握していたにもかかわらず、適切な処置をせず、たび重なる暴力やパワハラにたまりかねた選手が、体育協会やJOCに告発したものです。他にも金メダル柔道選手のレイプ事件、大阪桜宮高校の生徒が先生の暴力や暴言により自殺した事件、都立高校野球部やバスケット部の暴力と、次々に発覚する指導者の実態には恐怖を感じます。
 特に、昨年末の訴えにも素早い反応を示さなかったJOCを見ても、日本のスポーツ界そのものが五輪精神に反する体質といわざるを得ません。
 指導者が絶対的権力を振りかざし、感情任せの暴力や暴言を指導といい繕う伝統や、暴力を受けた選手がその地位を築けば今度は暴力を振るう立場になる。この連鎖の根本はやはり勝利至上主義です。知事は記者会見で勝利至上主義と暴力の関連を否定されましたが、現実を見定めず目をつぶっては、状況を変えることはできないとはお考えにならないのでしょうか。
 市民もまた、メダル数で一喜一憂する日本に必要なのは、五輪という一過性のイベントではなく、五輪が掲げる人権と平和を尊重し、スポーツを楽しむ精神です。今、日本がやるべきことは五輪招致ではなく、JOCも含めた現状のスポーツ指導者の体質に徹底的にメスを入れ、万人が楽しめるスポーツづくりというソフトに力を入れることだと思いますが、ご見解を伺います。
 世論については、七三%の都民が支持と発表されましたが、このような調査では常に過大な経済効果を掲げるなどの問題があります。ロンドン五輪では一兆六千億円の経済効果が見込まれていましたが、地元企業からは期待外れとの声が出ました。二〇〇八年の経済危機を予測したことで知られる経済学者ルービニ氏は、ロンドン五輪は経済的失敗だ、ロンドンは空っぽでゴーストタウン化していると指摘しています。
 東京で昨年六月に民間調査会社が行った世論調査では、五輪招致賛成派の七割が経済効果を理由に挙げ、賛成理由のトップとなっています。東京オリンピック・パラリンピック招致委員会は、三兆円の経済効果を見込んでいますが、算出には、五輪の有無にかかわらず整備される施設や道路などのインフラを先取りで含み、消費支出は、テレビ買いかえやグッズ販売も各一千億円を超える試算で疑問が残ります。五輪の経済効果は、これらの要素を差し引くべきです。見解を伺います。
 世論調査時には誘導的な数字ではなく、五輪終了後の施設維持経費なども明らかにした必要経費こそ公開すべきです。さらに、一過性のイベントに比べ、福祉などサービス分野への投資の方が高い経済効果が得られるという研究結果もあります。五輪時は、観客以外の観光客が減少するマイナス面や、同じ額を福祉分野に投資した場合の効果を参考値として公表するなど、市民へ正しい情報を提供した上での調査をすべきです。見解を伺います。
 二〇〇六年に札幌では開催経費の概算値を公表した上で、五輪招致の賛否を市民一万人に問い、反対多数の結果、招致を断念しています。大きなイベントは市民判断を狂わせてはならないことをつけ加えておきます。
 ほかにも私が疑問に思う巨大事業があります。八ッ場ダムと外環道路です。
 水需要減少の中、東京都は依然として過大な水需要予測を続けています。昨年三月にようやく右肩上がりの予測は見直されましたが、負荷率については古いデータをもとに非現実的な算定をするなど、需要の過大評価は改まっていません。
 かつて知事は、道路関係四公団民営化推進委員会でも、国土交通省の過大な需要予測に対し批判されたと思いますが、都の水需要予測は道路公団の手法と何ら変わることがありません。官僚打破を掲げた知事が、こうしたやり方を是認の上、ダム建設を推進されるのでしょうか。水需要予測の妥当性について伺います。
 巨大建設は、多大な建設費のほか、維持運営費も後世の負担につながりますが、利水面から見た八ッ場ダムの必要性についても伺います。
 また、外環道路についても、既に人口減少に向かい、若者ですら東京では車なしの生活をする時代になっています。
 副知事もされ、行政内を知る知事は、石原後継者だとしても、立ちどまってデータを確認することが大切だと思いますが、外環道の必要性についてお考えを伺います。
 今定例会には、尖閣諸島寄附金による基金設置条例が提案され、国による尖閣諸島の活用に関する取り組みに使えるとなっています。今回は、基金から使途を定めない国への寄附や特定事業の一部寄附もしくは分担金となるようですが、都が寄附金を集める際には合理的な理由が説明されるべきです。特定の事業ではなく、国に総論的に寄附をするというのは問題があります。本来、都の政策は都民の利益にかなうものであるはずです。
 都の基本的考え方を改めて確認します。知事は、尖閣諸島購入がどのように都民の利益にかなうものだったとお考えでしょうか。また、都民の利益となることがどのように担保されるのか、基金を国に託すに当たってのお考えを伺います。
 振り返ると、石原前知事がわざわざワシントンDCで尖閣諸島問題を発言したために、経済的にも重要な中国との関係が悪化し、貿易は低迷、日本の企業が打撃を受けました。知事の立場で外交責任をとれないにもかかわらず、勝手な行動で事後の対策を放置というのはひきょうでした。
 また、募集の際に、負担つきの寄附として受け取るものではないと記載しても、その意味がどれだけの寄附者に伝わったか不明です。受け取った寄附金は、法律上、返還や別扱いできないと知らず、現に百六十件ほどの返還要求があるようです。
 あえていえば、昨年九月には国有地化が決定されており、それ以前に当時の首相より国買収の表明もされていました。
 しかし、ずるずると本年一月まで締め切りを延ばし、国有化後も一千万円以上の寄附金が集まりました。それらの対応についても理由を伺います。
 滋賀県大津市のいじめ問題では、自殺の練習をさせたなど、悲惨な事実が明らかになりました。この二月に市と保護者の和解が成立しましたが、教育委員会の隠ぺい体質など、多くの課題を残しました。
 いじめ問題には第三者の目を入れ、かつそれが子どもの権利条約によって保障された子どもの声を聞く体制が必要です。東京都も昨年十二月から東京都教育センターで、弁護士や臨床心理士ほか専門家等の第三者的機関による解決策の調整、提示がされているようですが、単なる器では意味がありません。私も時々相談を受けますが、今までの隠ぺい状況を考えると、都でも子どもの人権や権利を守り、子どもを救うより行政の立場を擁護してきたように思えます。このたび設置した第三者的相談機関はどのようにいじめ問題の解決を図っていくのか、伺います。
 さらに、その上で指摘したいのは教育改革です。
 子どもの声を聞き、親身になって相談を受ける最前線は教師です。その教師が多忙と締めつけ管理体制で疲れ果てています。東京都の教師は、二〇一二年度で七百七十九件の休職があり、精神系疾患は五百二十七件に上ります。これは全国平均より高目です。
 この背景の一つが、教育庁のあり方です。都は二〇〇三年十月の通達、入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について以来、日の丸・君が代に関する指導が続いています。分厚い冊子を毎年作成し、日の丸・君が代を入学式、卒業式で拒否する権利を徹底的に奪い、教師を追い込んでいます。これは、国の国旗・国歌法の制定時の見解すらも逸脱したものです。校長、教師への過剰な管理体制が教師自身のストレスを生み、子どもへの教育にも影響していないか伺います。
 そもそも教育委員会の本来の役割は、子どもたちのことを第一に考えることではないでしょうか。ご見解を伺います。
 東京都地域防災計画、特に原子力防災について伺います。
 十二章に放射性物質対策がやっと入りましたが、国の放射性物質輸送事故対策会議が中心になっています。特に、事故が起きた際の表示や住民へのお知らせが抽象論で、以前から指摘している避難訓練も、図上対策すら盛り込まれていません。
 原子力事故の防災計画は、国でも昨年九月に見直し、緊急防護措置は現十キロから三十キロ圏に目安を改善されたようですが、連動する原子力規制庁の基礎データは未公開の部分があり、多くの研究団体から不備を指摘されています。
 東京都は、かつて事故を起こした東海村の施設から百キロ圏に入ります。ある試算では、百キロ圏内まで年五〇ミリシーベルトの影響があるという説もあります。防災計画全体の国のデータをすべて公開させつつ、核燃料輸送ともあわせ、原子力災害の視点で再度修正し、避難訓練も考慮すべきと考えますが、見解を伺います。
 今までは事故の後で、法改正や規則の手直しが行われてきましたが、事故対策にはなっていないのが現状です。実際に災害が起きてからでは間に合わないことを、今回の三・一一事故の経験から申し上げます。
 終わります。再質問します。
   〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 福士敬子議員の一般質問にお答えします。
 オリンピック・パラリンピック招致の目的についてでありますが、日本人の心のデフレを取り払い、この国に自信を取り戻す大きな力となると思って、閉塞感に覆われた日本に、そういう日本しか知らない子どもたちに、先ほどもいいましたが、坂の上の雲があるよと、その雲を示してあげる。それを大人がつくる義務がある。希望をつくる必要があります。そういう姿を見せたいと思っている。
 ロンドン・オリンピックのことを何か失敗したかのようにおっしゃっていたが、ロンドン・オリンピックは成功したオリンピックです。そして、IOCの評価委員、あしたホテルに参ります。そのときに、僕は彼に、とてもよいオリンピックでしたと、そういうことをいってお迎えします。コングラチュレーションズ・オン・ザ・ファンタスティック・ロンドン・ゲームス、ユー・ディド・ア・グレート・ジョブと、こういうんです。本当にそうなんです。先進国でやったらきちんとできるんです。
 だから東京でやるということを我々は見せる、我々の力はそれだけあるんだということを見せるんです。そして子どもに希望を与えるんです。そして、仙台、宮城スタジアムでサッカーをやり、聖火ランナーは被災地を走るんです。そうやって我々は、日本は、東京オリンピックではない、日本オリンピックだというところを、みんなで心を一つにしてやるんです。
 被災地の子どもたちはそれを見るでしょう。そして元気をつくるんです。
 なお、その他の質問については、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁します。
   〔教育長比留間英人君登壇〕

〇教育長(比留間英人君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、第三者的相談機関によるいじめ対応についてでありますが、いじめの背景や原因は複雑化、多様化していることから、学校だけでなく、専門家等の外部人材の協力を得て解決を図る必要があります。
 都教育委員会は、学校だけでは解決困難ないじめなど、緊急に対応する必要がある問題について相談に応じられるよう、平成二十四年十二月から第三者的相談機能を持つチームを、都教育相談センターに設置しております。このチームでは、第三者である弁護士や精神科医などの専門家などが関係者から聞き取りを行い、問題の解決を図っております。
 今後とも、こうした取り組みを通して、児童生徒をいじめから守り、安心して学校生活を送れるよう努めてまいります。
 次に、教育委員会の役割についてでありますが、都教育委員会は、学校の教育活動が教育基本法や学校教育法、学習指導要領などに基づき適正かつ効果的に行われるよう、区市町村教育委員会と連携して、学校や教員に対し必要な指導を行うとともに、教員の意欲を引き出し、能力を発揮させるための人事制度の充実や、組織的な学校経営を行うための体制整備などを推進してまいりました。
 児童生徒一人一人の能力を最大限伸ばすためには、教員が強い情熱と高い指導力を持ち、校長のリーダーシップのもと、学校全体が一体となって教育に当たることが必要であり、引き続きこれまで進めてきた取り組みを推進してまいります。
   〔東京都技監村尾公一君登壇〕

〇東京都技監(村尾公一君) 外環についてでございますが、外環は、首都東京の渋滞解消など交通対策のみならず、首都圏の陸海空の要衝を結ぶネットワーク形成により、我が国の国際競争力を高め、再び成長軌道に戻すなど、その波及効果ははかり知れないものがあり、整備に伴う直接的便益は、国による平成二十三年の費用対効果総点検におきましても、事業費の二・三倍となっております。
 切迫する首都直下地震などにおいても、日本の東西交通の分断を防ぎ、救援、復旧活動を支えるなど、広く国民の生命や財産を守る、まさに命の道として、一刻も早く完成させる必要があり、既に昨年九月、トンネル立て坑工事に着手しております。
 都は引き続き、国など事業主体と連携し、二〇二〇年早期の開通に向け、外環の整備に全力で取り組んでまいります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 三点の質問にお答えいたします。
 まず、万人が楽しめるスポーツづくりについてでございますが、オリンピック・パラリンピックを初め、国際大会で活躍する選手の姿は、国民に誇りや希望を与えるとともに、スポーツに取り組むきっかけにもなります。このため、都は、国際スポーツ大会を積極的に誘致してまいりました。また、スポーツ祭東京二〇一三においても、一般都民が参加できますデモンストレーションとしてのスポーツ行事を、都内七十八会場で開催することとしております。
 これまでも都は、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめるよう、さまざまなスポーツイベントの開催や、地域スポーツクラブの設置促進に取り組んできたところでございます。これにより、都民のスポーツ実施率は、この五年間で一五ポイント上昇いたしまして、五三・九%となりました。
 都は、今後とも、オリンピック・パラリンピック招致を目指すとともに、新たに策定する東京都スポーツ推進計画では、スポーツ実施率、世界最高水準の七〇%という、より高い目標を掲げまして、スポーツ人口のすそ野を拡大していく所存でございます。
 次に、大会開催に伴う経済波及効果でございますが、経済波及効果の算定に当たりましては、大会開催に伴う需要増加額を算定し、都の産業連関表を用いて全国で約三兆円と推計いたしました。
 需要増加額は、大会運営費、オリンピックスタジアムや武蔵野の森総合スポーツ施設も含めた競技会場などの施設整備費、観客や家計の消費支出など、大会開催に直接関係する経費を算定しております。また、テレビの買いかえ需要については、過去大会における消費動向調査を参考に算定したものでございまして、適切であると考えております。
 なお、道路については、大会開催の有無にかかわらず整備することから、需要増加額には算定しておりません。
 最後に、オリンピック・パラリンピックに関する世論調査の手法についてでございますが、招致委員会が行っている世論調査は、東京招致に対する支持率を把握し、今後の招致活動に生かすことを目的として、IOCの世論調査に準じた手法で公正に実施しているものでございます。
   〔水道局長増子敦君登壇〕

〇水道局長(増子敦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都の水道需要の妥当性についてであります。
 水道需要は、これまで経験した実績を長期的に分析し、最新のデータを用いて、合理的な手法により見通したものであり、適切なものと考えております。
 次に、利水面から見た八ッ場ダムの必要性についてであります。
 昨年、都の水源の約八割を占める利根川では、八月のわずか一カ月間雨が少ないだけで、ダムの貯水量が大幅に減少し、九月下旬に台風で貯水量が回復するまでの間、取水制限が実施されました。利根川のダムの貯水容量がいまだ十分ではなく、首都圏の水源が脆弱であることを改めて認識いたしました。
 また、今後、気候変動による水資源への影響が懸念されていることから、これまで経験したことのない厳しい渇水が発生するおそれもあります。
 こうしたことを踏まえると、将来にわたり首都東京の安定給水を確保するためには、八ッ場ダムは必要不可欠であると考えております。
   〔知事本局長前田信弘君登壇〕

〇知事本局長(前田信弘君) 三点のご質問にお答えします。
 尖閣諸島の購入と活用についてでありますが、我が国の広大な排他的経済水域や大陸棚には、豊かな水産資源や多様なエネルギー、鉱物資源が存在します。こうした排他的経済水域等の権益を確保するためには、尖閣諸島などいわゆる国境離島を適切に維持保全していくことが必要であり、生じる利益は、都民はもとより、すべての国民に及ぶと認識しております。
 都による尖閣諸島の購入は実現しませんでしたが、都がこうした問題意識を全国民に投げかけたことは意義があると考えております。
 次に、基金の活用についてであります。
 尖閣諸島の購入と活用の方針を公表した後、都には多額の寄附金が寄せられました。これは、島々を公の所有として安定させ、活用してほしいという都民、国民の願いが志として寄せられたものと受けとめております。
 島々は国の所有となりましたが、今後はその活用を図ることが肝要です。都は、基金を国に託すため、地元自治体とも連携して働きかけを行い、国の動向を見きわめながら対応してまいります。
 最後に、寄附金の受け入れについてでありますが、寄附金の口座は、都が尖閣諸島の購入と活用の方針を明示して開設いたしました。島々を国が所有した後は、島々の活用に充てる、これを明示して寄附金の受け入れを行っていたものであります。
 一方で、受け入れを終了するに当たりましては、寄附金をいかに管理し、島々の活用のためにどう使用するかの方針を明確にする必要がございます。今般、基金条例案及び補正予算案を都議会へ提出いたしますことを機に、一月末をもって受け入れを終了したものでございます。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 放射性物質対策についてでありますが、原子力災害については、法に基づき役割分担が定められており、核燃料物質等の輸送に関しては、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律により、国が安全基準を定め、輸送物や輸送方法等の確認を行うなどの対策を講じております。
 一方、都におきましては、地域防災計画の大規模事故編で、事故発生時には、国が開催する事故対策会議のもと、区市町村への連絡や専門家の派遣要請など必要な措置を講ずることを定めております。また、安全確保等の観点から、国が公開すべきでないとしている情報は慎重に取り扱うべきと考えております。
 なお、都は、NBC災害を初め、災害の種類を問わず、さまざまな避難訓練を実施しており、区市町村でも各種避難訓練を実施するなどにより、住民の避難対策を講じているところでございます。
   〔六番福士敬子君登壇〕

〇六番(福士敬子君) 五輪で、福島の地元や全国に散らばった被災者は、何人がアスリートを目の当たりにできるのか。夢は大切だと思いますが、福島では既にがんの心配がある子も出始め、一年後の生活を見通すこともできない中で、一週間の転地保養による心の解放が、子も親も肉体的健康につながるというデータがあっても、その事業すらボランティアが担っています。
 知事の招致目標は、復興も夢だけに見えます。費用対効果を考えると、それでいいのかと思いますが、再度確認をいたします。
 防災に関しては、原子力対策は図上訓練などのイメージをするなど、国待ちでは対応できないことがあるので質問させていただきました。今回も、大変なことだと思いますけれども、やはり心の準備は必要だということを申し上げておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 質問を終わります。
   〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) 再質問にお答えいたします。
 オリンピック・パラリンピックの開催でございますが、知事が再三申し上げておりますとおり、日本人の心のデフレを取り払い、この国に自信を取り戻す大きな力となります。また、子どもたちに夢や希望を与えます。また、日本の未来に明るさをもたらします。さらに、大きな経済波及効果や、震災からの復興の大きな目標となります。加えて、国民の健康増進にも、国際交流や国際平和の促進にも大きな効果があるわけでございます。
 現在、被災地の県は全面賛成しておりますし、国民の七〇%以上の支持をいただいておりまして、今後も知事を先頭にオールジャパンで招致獲得を目指してまいります。
   〔総務局長笠井謙一君登壇〕

〇総務局長(笠井謙一君) 防災訓練の関係でございますけれども、先ほど申し上げましたように、都は、NBC災害を初め、災害の種類を問わず、さまざまな避難訓練を実施しておりまして、区市町村でも各種避難訓練を実施するなどにより住民の避難対策を講じているところでございます。

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