地方税財政制度の抜本的な改革に関する意見書
現下の都政は、大規模地震や集中豪雨等の災害への備え、東京・日本全体の発展に資するインフラ整備や成長分野への投資、少子高齢社会への対応など、様々な課題を抱えており、迅速かつ積極的な取組が求められている。
このような膨大な財政需要への対応を要するにもかかわらず、都は累次にわたる地方法人課税の不合理な見直しにより、現在においても、国に対して年間1.6兆円もの都税の拠出を余儀なくされているが、その使途は示されず、効果も明らかにされていない。
こうした中、昨年末に決定された令和8年度与党税制改正大綱では、令和9年度税制改正において地方法人課税の更なる追加的措置を講ずる等の方針が示され、本年7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」では、同大綱に沿って具体的な取組を講ずるとされた。
しかしながら、地方税を財政調整の手段として国税化し、他自治体に配分することは、応益性を原則とする地方税の本旨に反する。都の税収を狙い撃ちとした、こうした地方税制度の根幹を否定し、税収の水平調整を図る更なる追加措置は到底容認できない。
東京や地方全体、ひいては日本の持続的成長と発展に向けては、限られたパイの奪い合いではなく、パイそのものを拡大することが不可欠である。
そもそも、我が国の財政は、租税収入と歳出の国と地方の配分比率に逆転が生じていることに加え、租税収入に占める地方税の割合も低下の一途をたどっており、こうした根本的な状況を見直し、地方の責任と役割に応じた地方税財源全体の充実・拡充こそが必要である。
本来、地方間の財源調整を担うべき現行の地方交付税制度は、地方税の増収局面でも一般財源総額が抑制される点や、地方交付税原資の全額が地方に配分されていない点など、根源的な問題を抱えている。
こうした点を含め、国は早急に見直しを進めるとともに、納税者たる都民への説明責任の観点から、使途や効果を検証すべきである。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、令和9年度税制改正の大綱において、都民の納得と理解を得られるよう、都の税源を減少させる更なる追加的措置を講ずることなく、地方税財政制度全体の抜本的な改革に取り組むことを強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年10月8日
東京都議会議長 増子博樹
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 地方創生担当大臣 経済財政政策担当大臣 宛て