ワンヘルスの推進に関する決議
人と動物の健康と環境の保全は相互に密接に関連しているため、それらを一体として捉えることで、関係者が連携して課題解決に取り組むワンヘルスの理念は、現代社会が直面する複合的課題に対応するための基本原則である。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、世界全体において分野横断的な連携の必要性が浮き彫りになり、今日では次の感染症危機への備えの観点からも、ワンヘルスの考え方に基づく医療、獣医療、公衆衛生、環境分野等の相互連携による取組の重要性が高まっている。
都においても、人獣共通感染症に関する発生動向の監視や予防対策をはじめ、動物の適正飼養の推進や、野生動物が生息する自然環境の保全などの施策を展開しているところである。
こうした中、本年4月には「ワンヘルスで世界の獣医療が示す未来」をテーマに「第41回世界獣医師会大会」(以下「第41回大会」という。)が東京で開催される予定であり、日本での開催は1995年の横浜大会以来、31年ぶりとなっている。
この第41回大会を契機として、都は、ワンヘルスに関するこれまでの取組や、今後の展望を発信することなどにより、ワンヘルスの理念をより一層、世界に広げる役割を担うとともに、ワンヘルスを通じて東京の都市としての存在感を高める必要がある。
また、第41回大会では、関係者が国際的に連携することや、責任ある抗菌薬の使用、研究開発の推進、教育や人材育成の取組、持続可能な社会基盤の構築への貢献、動物と人の共生価値の再創造などに関する議論が予定されており、これらを東京の地から世界に向けて発信していくことは、今後のワンヘルスの展開において極めて意義深いことである。
よって、東京都議会は、人と動物の調和の取れた共生社会づくりや生物多様性、環境の保全等の取組による地域や社会の持続的発展のため、首都東京としてワンヘルスを推進する都市を目指すことを宣言するものである。
以上、決議する。
令和8年3月27日
東京都議会