オウム真理教(Aleph(アレフ)・ひかりの輪・山田らの集団)に対する観察処分の期間更新に関する意見書

 オウム真理教は、地下鉄サリン事件を始めとする数々の無差別大量殺人を実行し、社会に大きな不安と恐怖を与えた団体であり、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「団体規制法」という。)に基づき、観察処分を受けている。
 現在も、オウム真理教の後継団体として、「Aleph(アレフ)」、「ひかりの輪」、「山田らの集団」という三つの組織が活動を継続しており、社会的な不安は依然として残ったままである。
 都内には、オウム真理教後継団体の施設が6か所存在し、現在も活発に活動を続けている。施設周辺住民は、オウム真理教後継団体の解散・撤退を求めて反対運動を起こし、自治体もこれを支援しているが、こうした取組には限界があり、いまだ不安や恐怖を解消するには至っていない。
 このような状況の中、令和6年1月には、オウム真理教(Aleph(アレフ)・ひかりの輪・山田らの集団)に対する団体規制法に基づく観察処分の期間が満了を迎えようとしている。しかし、公安調査庁による団体規制法に基づく立入検査の結果、現在も、教団名を秘匿した勧誘活動の組織的な展開や、教祖である麻原彰晃こと松本智津夫への絶対的帰依を扶植する指導の徹底など、依然としてオウム真理教の教義が団体活動に影響を与えており、状況は令和3年の更新時と変わっていない。
 また、「Aleph(アレフ)」に対しては、団体規制法で定められている報告すべき事項の一部を報告しなかったことなどから、公安審査委員会が令和5年3月に、施設を使用することや財産上の利益の贈与を受けることを禁止する再発防止処分を決定した。
 こうしたことから、万が一、観察処分が更新されなければ、オウム真理教の活動実態が明らかにならず、施設周辺住民はもとより多くの都民の不安と恐怖はますます高まることになる。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、オウム真理教(Aleph(アレフ)・ひかりの輪・山田らの集団)への観察処分の期間を更新するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 令和5年10月5日
東京都議会議長 三宅しげき
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 法務大臣 公安調査庁長官 公安審査委員会委員長 宛て
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