小笠原諸島振興開発特別措置法の改正・延長に関する意見書

 小笠原諸島は、昭和43年6月に我が国に返還されてから、本年で55周年の節目を迎える。返還以来、小笠原諸島復興特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法並びにこれらに続く小笠原諸島振興開発特別措置法に基づき、住宅、水道、道路、港湾、情報通信等の村民が生活するために必要な基盤整備が重点的に進められてきた。
 しかし、返還当初に整備された公共施設は老朽化が進行しており、施設の更新等の対策が急務となっている。さらに、世界自然遺産に登録された貴重な自然環境の保全のほか、約1,000キロメートル離れた本土との交通アクセスの改善や南海トラフ地震等に備えた防災対策の強化など、村民生活の更なる安心・安定のための課題が存在している。また、長引くコロナ禍及び物価高騰に伴う経済への影響により、村民生活の負担が増している。
 国境離島である小笠原諸島は、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益を守るため、また、海洋資源開発・利用等の拠点として国家的な役割を担っており、同諸島において村民の生活基盤を維持することは極めて重要である。
 こうした中で、小笠原諸島の振興の根幹となる小笠原諸島振興開発特別措置法は、令和5年度末で失効しようとしている。小笠原諸島の自立的発展のためには、航空路の開設は欠くことのできない基礎条件であり、世界自然遺産登録地として、素晴らしい自然環境の保全と産業振興や生活環境の整備を両立させながら発展を目指すためには、同諸島の振興に果たすべき国の役割が、より一層重要となる。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、現行の特別措置を継続するため、小笠原諸島振興開発特別措置法を改正し、その有効期限を更に5年間延長するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 令和5年3月24日
東京都議会議長 三宅しげき
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国土交通大臣 宛て
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