小笠原諸島振興開発特別措置法の改正・延長に関する意見書

 小笠原諸島は、昭和43年6月に我が国に返還されてから、本年で50周年の節目を迎える。返還以来、小笠原諸島復興特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法並びにこれらに続く小笠原諸島振興開発特別措置法に基づき、住宅、水道、道路、港湾、情報通信等の村民が生活するために必要な基盤整備が重点的に進められてきた。
 しかし、約1,000キロメートル離れた本土との交通アクセスの改善、島内産業の活性化などの残された課題のほかにも、返還当初に建設された施設の老朽化や南海トラフ地震等に備えた防災対策の強化など、村民生活の更なる安心・安定のための課題が存在している。また、世界自然遺産登録時の勧告を踏まえた外来種対策や社会資本整備時における環境配慮の強化など、世界自然遺産登録後もその価値を守り、正しく継承するための保全・再生事業の実施も課題となっている。
 さらに、小笠原諸島は、領土・領海の保全及び排他的経済水域の権益を守るため、また海洋資源開発・利用等の拠点として国家的な役割を担っている。
 こうした中で、小笠原諸島の振興の根幹となる小笠原諸島振興開発特別措置法は、平成30年度末で失効しようとしている。小笠原諸島の自立的発展のためには、航空路の開設は欠くことのできない基礎条件であり、世界自然遺産登録地として、素晴らしい自然環境の保全と産業振興や生活環境の整備を両立させながら発展を目指すためには、同諸島の振興に果たすべき国の役割が、より一層重要となる。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、現行の特別措置を継続する
ため、小笠原諸島振興開発特別措置法を改正し、その有効期限を更に5年間延長するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成30年3月29日
東京都議会議長 尾崎大介
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国土交通大臣 宛て
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