東京23区の大学における定員抑制等に関する意見書

 平成29年6月、「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」において、地方創生に資する大学改革として、「東京23区の大学の学部・学科の新増設、定員増の抑制」が決定された。現在は、地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議において、地方大学の振興策等について検討が行われており、年内に最終報告案が取りまとめられる予定である。
 日本が将来にわたって成長力を確保していくためには地方創生が重要であり、地方大学の振興等に取り組んでいくことに異論はないが、地方創生は、「東京対地方」という構図ではなく、東京と地方が共存共栄し、日本の発展に寄与する日本全体の創生を目指すべきである。
 国際競争が激しさを増し、我が国の成長をけん引するグローバル人材の育成が急がれる中、大学は知の拠点として、次代を担う人材の育成、イノベーションの創出等、極めて重要な役割を担っている。
 今般の「東京23区の大学の学部・学科の新増設、定員増の抑制」は、大学の教育・研究体制の改革・革新を滞らせ、大学の国際競争力を低下させることにとどまらず、人こそ資源の我が国の国益を損なうことになりかねない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、東京23区の大学の定員抑制等の実施には、明確に反対を表明し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1地方創生の推進に当たっては、東京と地方が共存共栄し、日本全体の発展に寄与する取組を支援していくこと。
2東京23区の大学における学部・学科の新増設及び定員増の抑制に係る立法措置、告示改正等は行わないこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成29年9月20日
東京都議会議長 尾崎大介
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 文部科学大臣 まち・ひと・しごと創生担当大臣 宛て
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