法人実効税率の引下げによる地方税財政への影響に関する意見書

 現在、国においては、平成26年6月下旬に閣議決定される予定の「経済財政運営と改革の基本方針」の策定に向け、経済財政諮問会議等において、法人実効税率の引下げが検討されており、地方税財政への影響が強く懸念されている。
 そもそも、地方法人課税は、企業活動と公共サービスとの間の受益と負担の関係に着目し、行政サービスを受ける法人に応分の負担を求めるものである。
 地方自治体は、教育や産業振興、警察、消防のほか、道路、港湾等の社会資本の整備や維持管理など、多岐にわたる行政サービスを担っており、今後も社会保障関係費の増加や社会インフラの更新への対応等、更なる財政需要の増加は避けられない状況にある。
 とりわけ、都においては、急速に進行する少子高齢化、近い将来発生が予想されている地震への備えなど、都民の安全・安心の確保に向けた喫緊の課題が山積していると同時に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を大きな推進力として、日本の成長を牽引していくことが求められている。
 こうした中、地方が地域の実情に応じて事業を実施していくためには、地方の税財源を維持・拡充することが不可欠である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、法人実効税率の引下げを行う場合には、国の責任において対応し、地方税財政への影響に対しては、確実な代替財源を確保するなど、全ての地方自治体の歳入に影響を及ぼさないよう万全の対応を行うことを強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成26年6月10日
東京都議会議長 吉野利明
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 社会保障・税一体改革担当大臣 経済財政政策担当大臣 宛て
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