第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議
スポーツに打ち込む選手のひたむきな姿や高い技術は、人々のスポーツへの関心を高め、夢や感動を与えるなど、活力ある健全な社会の形成に大きく貢献してきた。
オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会は、こうしたスポーツの祭典の中でも、ほぼ全世界の国と地域から選手団が参加する最大規模のものであり、これまでも参加する者、観る者に大きな感動を与えてきた。中でも日本人選手の活躍は、世界に我が国の存在感を示し、また、国民に大いなる希望を与えてきた。
本年3月11日に東日本を襲った大震災と巨大な津波、そして福島第一原子力発電所の事故は、我が国に甚大なる被害をもたらしたが、現在、復興と収束に向けて大きく歩み出している。困難を乗り越える強い意志の力がある限り、必ず道は開けてくる。オリンピック、パラリンピックがもたらす人間の持つ可能性への限りない信頼は、復興へ向けて歩む人々にとって、大きな力となるはずである。さらには、復興を成し遂げた姿を全世界の人々に示し、人々をもてなすことは、世界中から寄せられた支援に対する感謝の気持ちを表す最も効果的なものとなろう。
1964年の東京オリンピックが、終戦の焼け野原から復興したエネルギーを世界に示したように、2020年オリンピックを東京で開催することは、我が国が東日本大震災から僅か9年で再び力強く復興した姿と日本が安全であることを世界に示すことができ、我が国自身にとっても復興を成し遂げるための象徴的な目標となる。
また、物質文明の豊かさを享受している先進諸都市が抱える環境問題や経済停滞などの諸問題を解決し、暮らしやすい、国際競争力のある都市の実現につながる。
さらに、パラリンピック競技大会の開催は、バリアフリーやユニバーサルデザインの浸透による障害者が暮らしやすい社会の実現、誰もが相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を促進する。
国においては、「スポーツ基本法」が成立する中、国家戦略として、国立霞ヶ丘競技場の改築や周辺地域の環境整備を進めるなど、スポーツに関する施策の推進が更に求められる。また、東京においては、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催するスポーツ祭東京2013に向けての取組が進んでいる。こうした機を捉えて国際大会を東京に招致することは、時宜にかなったものと言えよう。
よって、東京都議会は、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致をここに強く求めるものである。
以上、決議する。
平成23年10月18日
東京都議会