介護報酬改定に関する意見書

 介護保険制度における介護報酬については、サービス提供地域ごとの人件費の地域差を反映させるため、特別区を含む五つの地域区分を設定し、各区分ごとに報酬単価の上乗せを行っている。
 しかし、地域区分の設定や上乗せ割合は、地域の実情に即したものとはなっていない。大都市部では、事業運営に必要な土地や建物の取得費及び賃借料等の物件費が高額であり、こうした地域差を考慮しないことは合理性を欠くものである。
 平成21年4月の介護報酬改定では、大都市部の事業所ほど給与費が高く経営を圧迫する傾向にあることを踏まえ、上乗せ割合の一部引上げが行われたが、不十分な上げ幅にとどまり、地域区分そのものの見直しには至らなかった。
 現在、国において、平成24年4月の介護報酬改定に向けた検討が行われているが、地域区分については、人件費のみならず物件費などの地域差も十分に調査し、分析した上で、より細分化を図るとともに、実態に応じた適切な上乗せ割合にするなど、その在り方を抜本的に見直す必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次期介護報酬の改定に当たっては、地域区分の設定及び上乗せ割合において、大都市の実態を適正に反映させるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成23年7月1日
東京都議会議長 和田宗春
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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