被災者、被災地支援等に対する財政措置に関する意見書

 東日本大震災は、我が国の歴史上においても類を見ない甚大な被害をもたらした。その発災直後から都は、積極的に被災者や被災地への支援を行うとともに、首都東京の防災力強化についての取組を進めている。
 本来、広域にわたる災害救助や国土の保全は国の基本的な役割であり、その費用も責任を持って負担すべきものであることから、国は、直接被災した自治体だけでなく、被災地への支援や被災者を受け入れた自治体に対しても特別交付税の交付を行った。しかし、積極的に被災者や被災地への支援を行っている都に対しては、普通交付税の算定上、超過財源があるとして、特別交付税を交付していない。
 そもそも特別交付税は、災害など普通交付税の算定では捕捉できない特別な需要に対して、財源超過額にかかわらず所要額を交付すべきものである。ましてや、都に係る普通交付税算定上の財源超過額は、昼間流入人口を適正に反映していないなど都財政の実態を反映しておらず、これを根拠に事実上、特別交付税を都に交付しないことは、現行制度の大きな問題であり、改善が求められている。
 もとより、首都東京の機能を維持するため、都が多額の財源を継続的に必要とする中、旧政権で導入された法人事業税の暫定措置により、国がその財源を一方的に奪い続けていることは、極めて不合理なことである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、被災者、被災地支援等に対する財政措置に関し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1特別交付税の算定に当たり、都における所要額が適切に交付されるよう算定方法の改善を図ること。
2法人事業税の暫定措置を即時撤廃すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成23年7月1日
東京都議会議長 和田宗春
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 宛て
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