地方消費者行政の充実・強化に関する意見書

 昨今の消費者を取り巻く状況として、次々販売やキャッチセールスなど高齢者や若者を狙う悪質商法の増加、さらには、架空請求や多重債務問題など、深刻な消費者被害が相次いでいる。また、食品偽装表示事件の多発や輸入冷凍餃子への毒物混入事件などに加え、シュレッダーによる指の切断事故など、身近な商品等の安全性に関する社会的不安が高まっている。このため、都内の消費者相談窓口には、多くの相談が寄せられている。このような消費者被害の増大や商品・サービスへの不安・不信は、健全で良質な市場経済の発展にも悪影響を及ぼすと考えられる。
 こうした中、国は、消費者・生活者重視の観点から、消費者行政を一元化し、強化する方針を打ち出している。
 消費者行政は、地域の実情に即して、各地方自治体が消費生活センターを始めとする現場で担ってきたものであり、国の消費者行政の強化が真に力を発揮し、消費者被害の防止と救済を実効性あるものとするためには、地方消費者行政の充実・強化こそが重要である。そのためには、地方自治体の消費者相談窓口において消費者被害が迅速かつ適切に解決されるよう、消費生活センターの設置及びあっせん等の機能を法的に位置付けるなど、地方消費者行政の体制を拡充・強化することが必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方消費者行政の充実・強化を図るために必要な法制度の整備及び財政措置を講ずるよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成20年10月6日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 経済産業大臣 消費者行政推進担当大臣 あて
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