都民への司法サービス充実に向けた多摩地域における裁判所機能の強化に関する意見書

 平成21年には、東京地方裁判所八王子支部及び東京家庭裁判所八王子支部について、立川市に新設される新庁舎への移転が予定されている。
 庁舎の規模や裁判官の拡充が図られることは、多摩地域の住民に対する司法サービスが一層充実される点において、歓迎すべきことである。
 しかしながら、多摩地域は他の府県にも匹敵する30の自治体、400万人規模の人口を擁しており、都内唯一の地方裁判所支部である八王子支部の取扱事件数は、全国の地方裁判所本庁に比しても多いほどである。こうした状況を踏まえれば、この地域には、本来、地方裁判所本庁及び複数の地方裁判所支部があってしかるべきである。立川市への新支部設置後も、引き続き八王子市に支部が存続されることが不可欠である。
 折りしも裁判員制度導入を目前に控え、市民の司法への理解や参加がますます強く要請されている中にあっては、市民の司法アクセスの拡充を図ることが急務である。さらに、今後の地方分権の進展は地域における司法サービスの需要を増加させるものであり、行政事件が審理できる地方裁判所本庁の増設は、正に時代の要請でもある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、都民に対する司法サービス充実のため、次の事項を実現するよう強く要請する。
1多摩地域の人口や取扱事件数にふさわしい規模の地方裁判所及び家庭裁判所の本庁を早期に設置すること。
2将来の多摩地域における地方裁判所及び家庭裁判所の本庁・支部体制整備を念頭に、八王子市の支部機能の存続を検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成20年10月6日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 法務大臣 あて
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