株式会社コムスンの不正行為問題対策に関する意見書

 株式会社コムスン(以下、コムスンという。)が不正の手段により事業所指定の申請をしたことを受け、国が6月6日に事業者としての新規の指定・更新をしないよう都道府県等に通知して以来、コムスンの介護サービス利用者やその家族を始め、多くの都民に不安が広がっている。
 今回の事件で特に見逃せないのは、都の指導検査において明らかとなった介護報酬の不正請求等に関し、その処分を受ける直前に廃止届を提出するという「処分逃れ」を行ったことである。
 さらに、コムスンは、国が通知した日と同じ日に、法の網をかいくぐるに等しい同一グループ内の別会社への事業譲渡を一方的に発表するなど、事業者としての真摯な態度が見られず、国民の相互扶助によって成り立っている介護保険制度の信頼を大きく損ねている。
 今後、都民が安心して介護サービスを利用するためには、こうした事態が再発しないよう、利用者の立場に立った具体的な対策の充実が不可欠である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1コムスンに対し、更新時期までの間は、引き続き利用者の求めに応じた介護サービスを提供させるとともに、新たな事業者への円滑な移行が行われるよう引き続き指導すること。
2コムスンが速やかに適切な移譲先を決定できるよう、国の責任において指導すること。
3今回の事件で行われた指定取消処分前の廃止届の提出や同一グループ内への事業譲渡は、現行の介護保険法が想定していないものであることから、今後こうした事態を生じさせないため、不適正な事業者の徹底排除に向けた法整備を早急に行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成19年6月27日
東京都議会議長 川島忠一
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 あて
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