認定こども園に対する財政支援に関する意見書

 本年6月、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が公布され、就学前の子どもに対する教育と保育等の提供を、総合的に実施する「認定こども園」制度が創設された。
 これにより、従来、学校である幼稚園と児童福祉施設である保育所で、別々に担われてきた就学前の子どもに対する教育と保育について、少子化の進行や就労形態の多様化等の環境変化を踏まえ、一体的に提供する仕組みが構築されたことは評価できる。
 しかしながら、同法律では、地域や事業者の創意工夫を活かした「地方裁量型」など、多様な類型が制度化されたにもかかわらず、財政支援は、幼稚園、保育所とも、旧来の基準に基づいて認可を受けた施設に限定している。このため、認定こども園を設置しようとする自治体や事業者は過大な財政負担を強いられ、更には、保護者負担が増大することも危惧される。
 生活形態、家族形態が多様化した東京では、子どもたちが必要とする教育、保育内容は様々である。認定こども園は、都民の多様なニーズにこたえるものとして、大きな役割を果たすと期待されているが、このような財政支援における不均衡は、制度の普及を阻害することにもなりかねない。
 いうまでもなく、子どもは国家の財産であり、この国の未来を担う子どもたちが健やかに育成される豊かな社会を実現することは、国の重要な責務である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、認定こども園の設置促進を図るため、必要な財政支援を早急に講じることを強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成18年10月5日
東京都議会議長 川島忠一
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 あて
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