第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議
地球温暖化、頻発するテロ、文化や民族の違いに起因する地域間紛争など、世界はいまだに平和とは程遠い状況にある。そうした中で、オリンピックは、世界の国々が競い合う、喜びと希望に満ちたスポーツの祭典であり、世界平和を希求する人類の祭典である。
「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀は、二度の大戦を経験した。1964年の第18回オリンピック東京大会は、我が国の戦後復興の象徴として開催され、多くの国民に感動と自信を与え、生まれ変わった首都東京の姿を世界にアピールした。これを機に、東京は更なる発展を続け、政治、経済、文化が高密度に集積する世界に類を見ない大都市となった。
そして、21世紀は「都市の世紀」とも「環境の世紀」とも呼ばれている。都市は肥大化し、環境問題、治安、スラム化など多くの社会問題が先鋭的に現れている。都市問題の解決なくして、人類は、将来世代に住みよい地球を引き継いでいくことはできない。
東京オリンピックから約半世紀を経た現在、再び大都市東京でオリンピックを開催することは、世界平和を希求する強い意思を世界にアピールするとともに、環境にやさしく豊かで安全な成熟した都市東京を実現する契機となる。また、アスリートたちの崇高な競い合いが、未来を担う子どもたちに感動を与え、スポーツを通じた健やかな成長を促していく。
よって、東京都議会は、人類の英知と創意工夫を結集し、都市問題の解決に先駆的に取り組むことで、東京、日本、そして次世代を担う青少年の未来を切り開くべく、2016年開催の第31回オリンピック競技大会の東京都招致を強く求めるものである。
以上、決議する。
平成18年3月8日
東京都議会