税源移譲を基本とする三位一体の改革の実現に関する意見書

 政府においては、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」に基づき、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討し、6月末までに改革案を取りまとめることとされている。
 しかしながら、先に経済財政諮問会議において示された原案は、削減する国庫補助金や税源移譲の対象となる税目が具体的に盛り込まれないなど、地方自治体が自らの財源と責任により地方分権を推進していくという点からは、不十分なものとなっている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、「三位一体の改革」を進めるに当たっては、地方分権時代にふさわしい地方税財政基盤を確立する視点に立ち、国と地方の役割分担を踏まえた税源移譲による地方税財源の充実強化を基本として、次の事項を実現するよう強く要請する。
1税源移譲に当たっては、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築するため、所得税、消費税などの基幹税目からの移譲を基本とし、国と地方の税収の配分割合を少なくとも1:1とすること。
2税源移譲に当たっては、大都市特有の膨大な財政需要に的確に対応できるよう、大都市圏の地方自治体への税源配分に十分配慮すること。
3地方の自主的・自立的行財政運営を確立する観点から、地方交付税制度及び国庫補助負担金制度の抜本的な見直しを行うこと。
4国庫補助負担金を廃止・縮減する場合には、地方への税源移譲等を同時に行うこととし、単なる地方への負担転嫁はしないこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成15年6月24日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 経済産業大臣 経済財政政策担当大臣 あて提出
ページ先頭に戻る