薬害ヤコブ病問題の早期解決に関する意見書

 厚生省の調査により、ヒト乾燥硬膜の移植を原因としてクロイツフェルト・ヤコブ病(以下「ヤコブ病」とする。)に罹患した患者が我が国において少なくとも70例に達することが明らかとなった。
 これは、死体から採取した脳硬膜がヤコブ病の病原因子に汚染されていたために起こったものであり、多くは発病後1、2年で死に至るなど、患者及び家族が受ける苦痛は甚大である。
 これによる被害者の救済を図ることは、国民のひとしく願うところであり、とりわけ、現に深刻な被害に苦しむヤコブ病患者とその家族を速やかに救済することは、人道上からも強く要請されるものである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、患者とその家族の救済を図るため、次の事項を実現するよう強く要請する。
1これ以上、医薬品及び医療用具による被害で国民が苦しむことのないよう、その根絶対策を講じること。
2ヒト乾燥硬膜の移植によるヤコブ病で苦しむ患者と家族の早期救済を行うこと。
3薬害ヤコブ病問題を早期に全面解決すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成13年3月29日
東京都議会議長 渋谷守生
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 あて提出
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