三宅島噴火災害の長期化に伴う被災住民への支援対策の強化等に関する意見書

 平成12年6月26日から始まった三宅島の火山活動は、断続的な噴火を繰り返し、大量の降灰による泥流被害をもたらし、現在も降雨の度に、被害の拡大が続いている。また、昨年後半から、有毒な火山ガスを大量に放出し始め、現在もその活動はやむ気配はない。
 この間、三宅村民は、昨年9月2日の全島避難から、既に6か月を超える避難生活を余儀なくされており、いまだかつて経験したことのない事態を迎えている。島を離れて不慣れな土地での生活は、従来の仕事の道が絶たれ、雇用保険の期限が切れるなど、他の収入確保も困難なことから、厳しい状況が続いている。
 先般、火山噴火予知連絡会により、多量の火山ガスを放出する活動は今後も続く可能性があるとの見解が発表されたことから、避難の長期化は避けられない状況となり、村民の生活の先行きに対する不安は増すばかりである。
 日本の火山災害史上でも、このような住民の全島避難による長期の避難生活の例はなく、国による支援対策の一層の強化が求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、避難生活の長期化に伴う三宅村民への支援対策の一層の強化と帰島後の復旧・復興に備えた対策の充実について、以下の措置を講じるよう強く要請する。
1三宅村民の生活基盤を安定させるため、適切な措置を講じること。
2三宅島の産業基盤を支える農林水産業者及び商工業者に対し、噴火以前の既往債務に対する利子補給及び災害復旧資金融資の利子補給限度額の引き上げや借換対策長期無利息融資の創設など、適切な支援措置を講じること。
3三宅村民の帰島後の生活及び事業が速やかに再開できるように、災害の復旧及び泥流被害の拡大防止対策を講じるとともに、離島の地域特性を踏まえ、帰島後の村民生活の早期安定及び復旧・復興対策の確立を図ること。
4三宅島火山活動の監視・観測体制及び研究の充実強化の措置を講じること。
5上記対策を速やかに実施するため、財政措置を講じるとともに、現行法制度の弾力的運用や必要に応じた新たな立法措置等を講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成13年3月29日
東京都議会議長 渋谷守生
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 防災担当大臣 あて提出
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