旧優生保護法による不妊手術の被害者救済に関する意見書

 昭和23年に施行された優生保護法下では、知的障害や精神疾患などを理由に、優生保護審査会の決定があれば、本人の同意がなくても不妊手術が行われてきた。その後、平成8年に障害者差別に該当するとして、同法は母体保護法に改正された。
 厚生労働省によると、旧優生保護法の下で不妊手術を受けた障害者などは約2万5,000人おり、このうち1万6,475人は本人の同意がなかったと報告されている。本人の意思に反して手術が行われた方たちの身体的・精神的な苦痛は計り知れないものがある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、被害者を救済するため、速やかに次の事項を実現するよう強く要請する。
1旧優生保護法に基づく不妊手術の実態調査と全容解明を進めること。
2都道府県が所有する優生保護審査会の資料などの保全を図ること。
3関係者から情報収集する際は、その心情に十分配慮した上で幅広く調査すること。
4被害者やその家族などからの相談に対応する総合的・専門的な窓口を国が責任を持って設置すること。
5被害者の高齢化が進んでいることを考慮し、的確な救済措置を講ずること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成30年6月27日
東京都議会議長 尾崎大介
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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