国民健康保険制度の財源の確保に関する意見書

 平成29年度予算の編成作業が大詰めを迎える中で、社会保障施策については、多くの課題がいまだ検討中となっている。
 こうした中、政府が、平成29年度の国民健康保険制度への財政支援を減額する方向で調整に入ったとされている。
 都道府県が、平成29年度以降の3,400億円の財政支援拡充を前提条件として、国民健康保険制度改革に合意し、平成30年度からの財政運営を引き受けることとしたにもかかわらず、国が地方との十分な協議を経ずに減額を行えば、国と地方の信頼関係が損なわれかねない。
 社会保障及び国民皆保険を支える重要な基盤である国民健康保険制度の安定的な運営に向け、制度改革を実現するためには、財政支援の拡充が不可欠である。
 また、地方自治体は、少子化対策の一環としての子どもの医療費の助成を始め、地方独自の医療費助成を行っているが、これを理由として、国民健康保険の国庫支出金は大幅に減額されており、国民健康保険の制度運営に大きな影響を及ぼしている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1国民健康保険制度の財政支援拡充を確実に実行すること。
2国民健康保険における地方独自の医療費助成制度に対する国庫支出金減額調整制度を廃止すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成28年12月15日
東京都議会議長 川井しげお
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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