地域の実情を踏まえた介護報酬の改定に関する意見書

 高齢化が進展し、独居や高齢者のみの世帯が増加している中で、介護保険サービスは、本人の認知症や身体の症状の重篤化の防止、在宅での生活の継続のみならず、介護する家族等への過重な負担の防止のために大変重要な役割を果たしている。
 平成27年度の介護報酬の改定案において、政府は、地域区分の上乗せ割合を見直し、都市部の実態は一定程度反映されたものとなったが、いまだ東京の人件費の実態に合ったものとはなっておらず、不十分である。
 また、地域差を勘案する費用の範囲については、東京における物件費、特に土地建物取得費や賃借料が高額であることが、介護報酬の地域区分において考慮されていない。
 地域区分は、介護報酬に一定程度上乗せする仕組みとなっており、事業者が受ける介護報酬全体に対する影響は極めて大きい。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、第七期の介護報酬改定における地域区分の割当てについては、国家公務員の地域手当等の地域加算を機械的に割り当てるのではなく、保険者である区市町村の意見を十分に聞いた上で、大都市における人件費、物件費の高さなどを考慮し、地域の実情を踏まえた設定を可能とするよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成27年3月27日
東京都議会議長 高島なおき
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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