国立ハンセン病療養所の療養体制等の充実に関する意見書

 強制隔離を骨格とする「らい予防法」は、平成8年に廃止されたが、ハンセン病患者は長きにわたり、施設入所政策により社会から隔絶される苦痛やこれに起因する差別と偏見にさらされてきた。
 現在、国立ハンセン病療養所の入所者の平均年齢は82歳を超え、高齢化や障害の重度・重複化に対応した医療・看護・介護体制の強化が喫緊の課題となっている。
 平成21年4月に施行された「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」では、その基本理念において、ハンセン病問題に関する施策は、国の隔離政策による被害を可能な限り回復することを旨として行われなければならないとしている。
 また、平成21年7月には衆議院、平成22年5月には参議院において、「国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議」が全会一致で可決された。
 国は、国会決議に基づき、国立ハンセン病療養所の入所者に対し、療養の質の向上を図り、地域社会と共生しつつ、良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするため、十分な医療・生活を最後まで保障し、ハンセン病問題の真の解決を図る責任がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、国立ハンセン病療養所において、入所者の実情に応じた定員及び療養体制の充実に万全を期すよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成25年10月11日
東京都議会議長 吉野利明
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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