外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書

 近年、全国各地において、外国資本等により、リゾート地や温泉施設、水源地域の森林等、土地の買収が進んでいる。今後も、世界の水需給のひっ迫、森林の二酸化炭素吸収能力に係る価値の上昇などから、外国資本等による我が国の森林等の買収は、一層拡大することが予想される。
 諸外国では、外国人や外国法人による自国内の土地所有について、地域を限定したり、事前許可制とするなどの制限を課している例があるが、我が国においては、大正14年に制定された外国人土地法が実効性を失っている状況の下、農地を除き、何ら制限がないのが現状である。
 このまま外国資本等による土地所有が無制限に拡大していけば、無秩序な伐採による景観破壊、水源地域の乱開発による水質の悪化や水資源の枯渇など、良好な自然環境の維持や森林の適切な管理、水資源の保全に重大な影響を及ぼし、国益を損なうことが懸念される。
 また、自衛隊施設の隣接地が買収される事例もあり、安全保障上の観点からの問題も指摘されている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、国土保全及び安全保障の観点から、外国資本等による森林等の土地の売買や開発行為を規制し適切な管理体制を構築するための法整備を早期に図るよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成24年3月29日
東京都議会議長 中村明彦
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 農林水産大臣 国土交通大臣 宛て
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