東京都省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関する条例

(目的)
第1条 この条例は、首都機能の維持及び発展のために欠かすことのできない電気を始めとしたエネルギーの重要性を踏まえ、省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保について、東京都(以下「都」という。)、都民及び事業者(以下「都民等」という。)の責務を明らかにするとともに、基本理念その他必要な事項を定めることで、災害に強く環境負荷の少ない世界に誇れる省エネルギー型の都市づくりを推進していくことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 エネルギー エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)第2条第1項に規定するエネルギーをいう。
二 省エネルギー エネルギーの使用の節約及び効率化を図ることをいう。
(基本理念)
第3条 省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保は、次に掲げる事項を基本理念として取り組まなければならない。
一 省エネルギーに関する意識の向上を図り、省エネルギーを推進すること。
二 災害時においてもエネルギーの安定的な供給を確保できる体制の構築を目指し、必要な対策を速やかに行っていくこと。
(都の責務)
第4条 都は、前条に定める基本理念にのっとり、次に掲げる事項を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。
一 省エネルギーの推進に関する短期的な行動計画及び長期的な総合計画を策定し、これらに基づく施策を実施すること。
二 都民等に対し、省エネルギーの推進に関する情報を積極的に提供するとともに、環境教育を始めとするあらゆる行政上の施策を通じて省エネルギーに関する意識の向上を図ること。
三 公共施設の整備その他の事業を実施する場合等において、省エネルギーに取り組むとともに、省エネルギー技術の普及を図るなど、その先導的役割を果たすこと。
四 地域冷暖房システム(建物の冷暖房や給湯に使用するための蒸気、温水又は冷水を専用の熱供給プラントから複数の建物に供給するシステムをいう。)の周辺地域への積極的な情報提供と必要な施策を実施するとともに、コージェネレーションシステム(発電と同時に発生した排熱を利用して、給湯、暖房等を行うエネルギー供給システムをいう。)との複合システムを積極的に検証し、都民等に情報を提供するなど、発電等で生じる排熱の有効利用を促進すること。
五 エネルギーの安定的な供給を確保するため、災害時に備えた公共施設の自家発電機能の検証、整備等を行うほか、必要な施策を実施すること。
(都民等の責務)
第5条 都民等は、その日常生活及び事業活動において、省エネルギーの推進に自ら積極的に努めるものとする。
2 都民等は、都が実施する省エネルギーの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(連携及び協力)
第6条 都は、省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保に関して、国並びに特別区及び市町村その他の地方公共団体並びに都民等と連携及び協力を図るよう努めるものとする。
(技術的支援等)
第7条 都は、都民等の省エネルギーに関する取組を促進するため、必要な技術的支援その他の措置を講ずるとともに、予算の範囲内において、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(指導及び助言)
第8条 知事は、省エネルギーを推進するため必要があると認めるときは、都民等に対し、必要な指導及び助言をすることができる。
(委任)
第9条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、東京都規則で定める。
   附則
 この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において東京都規則で定める日から施行する。
(提案理由)
 省エネルギーの推進及びエネルギーの安定的な供給の確保について、都及び都民等の責務を明らかにするとともに、基本理念その他必要な事項を定めることで、災害に強く環境負荷の少ない省エネルギー型の都市づくりを推進していく必要がある。