地方公会計制度改革の推進に関する意見書

 地方行財政改革を進めていくには、自治体が、自ら財政構造の透明化を推進するとともに、他の自治体や民間企業との比較・分析を行い、事業の的確な評価や改善を行うことが不可欠である。そのため、地方公会計制度への複式簿記・発生主義会計の導入と公会計基準の作成が喫緊の課題となっている。
 東京都は、平成18年度決算から、複式簿記・発生主義会計による本格的な財務諸表を作成し、新たな行財政改革の取組を進めている。東京都議会でも決算審議にこれを活用し、その成果を予算審議に反映させているところである。
 こうした中、国は、2つの公会計モデルを提示した。しかし、これらのモデルの作成過程において、地方自治体の意見が十分に反映されているとは言えない。さらに、これらのモデルは、我が国で一般的に用いられている企業会計基準や、諸外国で準拠している国際公会計基準の考え方とも異なるものであり、多くの自治体が困惑している。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方公会計制度改革を無理なく推進するため、東京都など先行して取り組んでいる自治体の事例を参考にして、地方自治体の広範な参画の下に、全国標準となり得る公会計基準を作成するよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成20年6月25日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 宛て
ページ先頭に戻る