農業の振興と食料自給率の向上に関する意見書

 最近の国際情勢をみると、開発途上国の人口増加や食料需要の変化、バイオ燃料の原料となる穀物需要の増加、さらに、世界各地で頻発している異常気象の影響などにより、食料の安定供給に大きな懸念が生じている。
 こうした中、日本では、国民の食生活の大きな変化や輸入農産物の増加などから、平成18年度の食料自給率は39%まで低下した。
 東京都においては、農業者の高齢化等に伴い、農業の担い手が減少し、また、生産の基盤である農地も、現行の農地制度や税制度の下では、減少に歯止めがかからない状況にある。
 外国産農産物への不安が高まっている中、多くの都民が安全・安心な食料を求めており、また、食料自給率の向上のためにも、農業の活性化が今、正に喫緊の課題である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、農業の振興と食料自給率の向上のため、次の事項を実現するよう強く要請する。
1地域の特色をいかした農業振興を行うとともに、食料自給率の向上に必要な施策を充実すること。
2多様な農業の担い手を育成・確保するための施策を充実すること。
3農地の遊休化防止と都市農地の保全のために必要な措置を講ずること。
4「食の安全」と地域農業の再生を目指すこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成20年3月28日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 経済財政政策担当大臣 宛て
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