道路特定財源の首都東京の道路整備への重点投資と首都圏の高速道路料金の引下げに関する意見書

 東京を中心とする首都圏は、日本経済全体の牽引役であり、その基盤となる道路整備に東京都議会は、これまで最大限の力を傾注してきた。しかし、いまだ東京における道路整備は著しく立ち後れ、旺盛な経済活動を妨げる最大の要因となっているばかりでなく、国際競争力の低下をもたらし、都市環境を悪化させる原因となっている。
 今後の我が国の活力を強化・発展させていくためには、まず、首都圏三環状道路を始め、骨格幹線道路の整備や連続立体交差事業などを推進して、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消していかなければならない。加えて、無電柱化や街路樹の充実を図り、優れた街並みの形成によって成熟した都市の姿を顕示していくことも重要である。これらの取組を重点的・集中的に行うことは、オリンピックを東京に招致することにもつながるものである。
 また、首都圏の高速道路料金は、首都圏特有の事情として、運営主体及び路線ごとに設定されているため、目的地が同じであっても経路によって料金が異なるなど、せっかくの道路ネットワーク整備が十全にいかしきれていない状況にある。
 現在、政府においては、昨年12月に閣議決定された「道路特定財源の見直しに関する具体策」を受け、今後の具体的な道路整備の姿などを示した「中期的な計画(中期計画)」や道路特定財源を活用した「高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化のための新たな措置」の検討が行われているところである。
 いかなる計画においても、首都として備えておくべき社会基盤としての道路は確実に位置付けられなければならない。また、高速道路料金については単なる引下げではなく、首都圏を一体的にとらえて、道路ネットワークを最大限に利活用するとともに、利用者にとっても効率的で利用しやすい料金体系が実現されなければならない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、質の高い豊かな国民生活を確立する観点から、次の事項を実現するよう強く要請する。
1首都圏三環状道路を始め、幹線道路ネットワーク及び連続立体交差事業などの首都東京の道路事業に財源を重点的に配分すること。
2高速道路網を最大限に利活用させるため、環状道路の利用促進、長距離利用者の負担軽減、運営主体間の乗り継ぎ割引を基本軸とする料金の引下げに向けた新たな措置を、国として講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国土交通大臣 行政改革担当大臣 宛て
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