割賦販売法の改正に関する意見書

 信販会社等が商品の購入代金を消費者に代わって販売業者に一括して立て替え、消費者は信販会社等に対して分割払いをする「個品割賦購入あっせん」は、手持ちの現金がなくても、高額商品を購入できるという便利さがある反面、悪用されると多額な債務を背負うおそれがある。
 私たちの記憶に残る埼玉県富士見市の認知症の高齢者姉妹をねらった悪質リフォーム事業者による事件は、「個品割賦購入あっせん」を悪用した代表的な例であり、割賦販売を逆手に取った悪質商法は、後を絶たない。
 これは、現行の割賦販売法の仕組みの中に、悪質商法に利用されてしまう次のような問題点があるからである。
1購入者の支払能力を超える与信の防止に係る規定は、訓示規定のため、信販会社等の詳細な調査が行われることなく、支払能力を超える契約が成立することがある。
2信販会社等による加盟店管理の義務規定等がないため、悪質な販売業者でも加盟店契約の締結ができ、「個品割賦購入あっせん」を悪用することができる。
3同法は指定商品制などの要件があるため、この要件に該当しない場合は、法の保護対象にならない。
4「個品割賦購入あっせん」については、信販会社等の参入規制がなく、かつクーリング・オフの対象となる契約書面の交付義務が課されていないため、消費者との間でトラブルが生じている。
 以上これらの問題点をいつまでも放置していると、割賦販売に対する国民の信頼が損なわれ、結果として善良な事業者の営業活動をも妨げることにつながるおそれがある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、こうした事情にかんがみ、割賦販売法の改正に当たっては、消費者保護を最優先とし、併せて健全な経済活動の発展にも資する立場から、上記の問題点の改善を急ぐよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成19年10月5日
東京都議会議長 比留間敏夫
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 法務大臣 経済産業大臣 宛て
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