国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書

 現在、経済財政諮問会議を始め、政府においては、地域間の税源の偏在を殊更に強調し、その是正を図ることが議論されており、近く策定される「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2007」に盛り込まれようとしている。
 こうした議論は、地方分権改革のための国、地方を通じた税財政制度の見直しを後回しにし、「都市対地方」の税源の奪い合いに論点をすり替えるものである。
 なかでも、法人二税の税収の人口による配分などの見直し論や「ふるさと納税」などは、地方税の応益原則を無視したものであり、地方分権改革の流れに逆行するものである。
 このような見直しが実施されれば、東京を始めとする大都市の財源が不当に奪われることとなり、大都市特有の財政需要等にこたえられなくなるばかりか、我が国全体の活力にも悪影響が及ぶことが懸念され、国、地方全体にとって利益にならない。
 今一度、地方分権改革の原点に立ち返り、まずは国と地方との役割分担を明確化した上で、それに見合った税財源を確保するための根本的な議論を行うべきである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財源の偏在是正の名の下に、東京の税財源を不合理に奪うような見直しを行わないよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成19年6月12日
東京都議会議長 川島忠一
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 経済産業大臣 経済財政政策担当大臣 宛て
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