難病対策の充実に関する意見書

 国は、原因が不明で治療方法が確立していない、いわゆる難病のうち、希少で治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額である疾患について、治療方法の確立と患者の医療費の負担軽減を図ることなどを目的として、特定疾患治療研究事業を実施している。
 この特定疾患治療研究事業について、患者数の増加により希少性の要件を満たさなくなった疾患を事業の対象とすることは、対象以外の疾患との公平性を欠いていること等の理由から、国の特定疾患対策懇談会において見直しの議論が行われた。その結果、平成18年12月11日に希少性の要件である5万人を大幅に上回る潰瘍性大腸炎及びパーキンソン病については、希少性の要件に該当するよう対象者の範囲を見直すべきとの取りまとめが行われた。
 国の平成19年度予算案には、この取りまとめに基づく見直しは盛り込まれなかったが、今後、国において事業の見直しを検討するに当たっては、潰瘍性大腸炎及びパーキンソン病の患者の生活実態等に配慮するとともに、特定疾患治療研究事業が患者の医療費の負担軽減になっていること等にかんがみ、現在、事業の対象となっている者に対し、継続した支援を図るべきである。
 さらに、難治性疾患克服研究事業及び特定疾患治療研究事業の対象疾患の拡大についても検討を進めるとともに、都道府県の超過負担解消のための財源確保にも努めるべきである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、難病対策の更なる充実とその財源の確保を図るよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成19年3月9日
東京都議会議長 川島忠一
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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