脳脊髄液減少症の研究・治療の推進に関する意見書

 脳脊髄液減少症とは、脳脊髄液が減少することにより、慢性的な頭痛、頚部痛、めまい、吐き気、視力障害、倦怠感、集中力・思考力・記憶力の低下など様々な症状が出現する病態で、交通事故やスポーツ障害などによる全身への強い衝撃が引き起こすものと考えられている。
 全国で20万人から30万人とも言われる患者は、医療現場において診断・治療法が未確立な領域であることから、原因が特定されない場合が多く、精神的、肉体的に苦しんでいるのが現状である。
 最近、この病気に対する認識も徐々に広がり、国内外の学会などで研究論文が発表され、症状が脳脊髄液の減少に起因することが究明されつつある。また、新しい治療法としてブラッドパッチ療法が開発され、その有効性について、学会、専門誌で大きな反響を呼んでいる。長年苦しんできた患者にとっては大きな光明となっているが、医療保険の適用がないため、患者は大きな経済的負担を強いられている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1脳脊髄液減少症の調査研究を積極的に推進し、ブラッドパッチ療法を含めた、診断・治療法を早期に確立すること。
2脳脊髄液減少症の治療法の確立後、速やかにブラッドパッチ療法等に対して医療保険を適用すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成17年12月15日
東京都議会議長 川島忠一
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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