北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に関する意見書

 北朝鮮による日本人拉致問題についての第3回日朝実務者協議が、去る11月9日から平壌で開催された。この協議で北朝鮮は、横田めぐみさんのものだという「遺骨」など、多数の資料や物証を提示した。このことによって、拉致被害者家族を始め日本国民は事件解明につながるものと大きな期待を寄せていたが、「遺骨」はDNA鑑定の結果、全く別人のものと判明した。
 政府間の公式協議で虚偽の資料を提出するという北朝鮮の行為は、拉致被害者家族の願いを踏みにじるばかりでなく、日本政府及び日本国民を愚弄するものである。平成14年の「日朝平壌宣言」では、「日朝間に存在する諸問題に誠意を持って取り組む」ことをうたっているが、この度の北朝鮮の対応は「誠意を持った取組」とは到底言えず、このままでは、拉致問題の解決は期待できない状況にある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、北朝鮮と粘り強く交渉するとともに、食糧支援の凍結、経済制裁の積極的発動を検討するなど、北朝鮮との交渉に際しては毅然とした態度を示すことによって、拉致問題の全容を速やかに解明し、早期解決を図るよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成16年12月16日
東京都議会議長 内田茂
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 外務大臣 財務大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 国家公安委員会委員長 宛て
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