道路特定財源の地方譲与税化に反対し、特定財源として堅持することに関する意見書

 首都圏には、全国の物流の約3割が集中しており、そのほとんどを自動車交通が担っている。しかし、首都圏の道路ネットワークはいまだ十分なものとはいえず、交通渋滞による損失額は年間2兆8000億円にも達する。これを解消するためには、首都圏3環状道路(圏央道・外かん道・中央環状線)を始め、環状8号線や調布保谷線等の骨格幹線道路の早期整備が急務であり、その実現には財源の確保が極めて重要である。
 国は、道路特定財源を確保するため、昭和49年4月、揮発油税の税率に暫定税率を適用し、本則の2倍とするなど、道路特定財源に本則の1.2倍から2.5倍の暫定税率を適用してきた。平成15年度にはこの措置を更に5年間延長した。
 しかし、「三位一体改革」における3兆円の税源移譲とあわせて、これまで議論されている道路特定財源の地方譲与税化は、道路の面積や延長を基準とした機械的な配分につながる可能性がある。こうした配分方法は、緊急性や必要性の高い首都圏の道路整備を困難にさせるばかりでなく、道路特定財源が目的税として機能しなくなることにつながるものであり、断じて容認できない。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、道路整備により首都圏を活性化し、豊かな都民生活を実現する観点から、次の事項を強く要請する。
1 道路特定財源を地方譲与税化することなく、都市再生・地方再生に資する道路整備は、国が引き続き責任を持って重点的に補助すること。
2 道路特定財源を特定財源として堅持し、その目的にのっとり、使途拡大を含め全額を道路整備に充当すること。
3 道路特定財源の配分に当たっては、首都圏の交通渋滞の解消に向けた道路整備を一層推進するため、受益者負担の原則にのっとり、ガソリン売上げの額に応じたものとすること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する
 平成16年10月7日
東京都議会議長 内田茂
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 国土交通大臣 行政改革担当大臣 宛て提出
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