高齢者虐待に関する意見書

 高齢者が地域の中で、尊厳をもって暮らしていける社会を構築していく上で、高齢者虐待は、大変憂慮すべき問題である。
 現在、国において、全国規模での実態調査が行われており、その調査結果や現場レベルでの取組を十分踏まえ、高齢者虐待に関する今後の対応策を講じていくことが必要である。
 しかしながら、地域のつながりが希薄である大都市においては、問題の発見と適切な対応が遅れてしまう場合がある。また、高齢者の虐待は、介護者の肉体的・精神的負担の大きさや、孤立・孤独感によるものも大きい。
 そのため、虐待問題に対応していくためには、問題を発見する仕組みや緊急保護が必要となる場合の受皿づくり、介護者の負担を軽減するための支援など、地域における総合的な在宅サービス基盤の充実が必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、発見・見守り・支援のためのネットワークづくりや地域の介護サービス基盤の充実など、区市町村が高齢者虐待問題に十分に対応できるよう、必要な支援策を強化することを強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成15年12月17日
東京都議会議長 内田茂
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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