遺伝子組み換えイネに関する意見書

 BSE(牛海綿状脳症)問題に続き、農薬が基準値を超えて残留するほうれん草や指定外添加物を使用した食品等が大量に流通するなど、食をめぐる問題はいまだ後を絶たない。
 遺伝子組み換え食品についても、昨年、未審査の遺伝子組み換え作物を含む輸入原材料を使用したスナック菓子が流通するという事件が発生し、消費者は不安を感じている。
 我が国においては、平成13年4月から食品衛生法に基づく遺伝子組み換え食品の安全性審査と表示の制度化が導入された。
 また、「組み換えDNA実験指針」に基づく文部科学省の審査を経て、遺伝子組み換え技術を用いた除草剤耐性イネが開発され、実用化に向けた研究が進められた結果、農林水産省による安全性評価が終了したものがある。今後、食品として商品化するためには、厚生労働省による食品としての安全性審査が必要である。
 コメは日本人の主食であり、遺伝子組み換えのコメの安全性に対する都民の関心は非常に高いものがある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、遺伝子組み換えイネの食品としての安全性審査に当たっては、情報の公開を徹底するとともに、「組み換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査基準」に基づく安全性評価を厳正に行うよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成14年6月26日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 宛て
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