土壌汚染対策の実施に関する意見書

 土壌汚染については、近年、企業による再開発や事業者による自主的な土壌調査などの結果、各地域で顕在化してきている。
 都においては、全国に先駆けて、平成13年10月から「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づき、土壌汚染対策を進めている。国においては、先ごろ、「土壌汚染対策法案」を通常国会に提出したところである。
 法案では、土地所有者等が汚染の除去等を行うが、汚染原因者が明らかな場合は、その原因者が汚染の除去等を行うものとされている。また、土地所有者等に資力が無い場合には、基金を設置して助成を行うことなど支援措置が図られている。
 一方、汚染原因者負担の原則から原因者に対する支援措置は無い。このため、資力の無い中小企業者は、汚染土壌の除去等ができずに汚染土壌処理に支障を来すことが懸念される。
 また、東京のような工場や住居等が混在する市街地においては、周辺環境へ十分配慮しながら処理することが求められており、安全・確実かつ低廉な処理技術の開発が必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、土壌汚染対策の実施に当たっては、次の事項を実現するよう強く要請する。
1費用負担が困難な汚染原因者が、適切に土壌処理ができるような仕組みづくりを実現すること。
2工場や住居等が混在する市街地において実施できる安全・確実かつ低廉な処理技術を確立すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成14年3月28日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 宛て
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