ディーゼル車対策の促進に関する意見書

 東京の大気汚染は、ディーゼル車などに対する国の排出ガス規制の遅れが原因で、深刻な状況にある。東京都は、都民の健康と安全を守り、良好な生活環境を確保するため、平成12年12月にディーゼル車の排出ガス規制などを定めた条例を全国で初めて制定し、自動車公害対策を格段に強化した。このような対応は、周辺の自治体にも広がり、埼玉県が昨年7月に東京都とほぼ同じ内容の条例を制定したのに続き、千葉県、神奈川県においても同様の規制が条例化される見込みとなっている。
 国は、同年6月に自動車NOx・PM法(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法)を定めるとともに、本年3月には、中央環境審議会が自動車排出ガス規制の強化などについての答申案の取りまとめなどを行った。その一方で、自動車NOx・PM法の規制適用時期を大幅に遅らせるなど、課題解決を先送りしている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、大気汚染を改善し、次の世代に良好な環境を引き継ぐためにも、自動車公害対策について、次の事項の実現を強く要請する。
1新車排出ガス規制の強化
 中央環境審議会の答申案で示された新長期目標に沿った自動車排気ガス規制を確実に実施するとともに、自動車メーカーによる欧米並みの目標値を満たす低公害車の早期開発・販売を促進すること。
2ディーゼル車買い替えに関する支援策
 自動車NOx・PM法の施行により、大量の旧型ディーゼル車を短期間に買い替える必要が生じることから、国の負担で、買い替えに対する事業者の要望にこたえられるよう、十分な支援策を講じること。
3使用過程車対策の強化
 自動車NOx・PM法の趣旨にのっとり、低公害車への代替、粒子状物質減少装置の装着などにより、ディーゼル車の低公害化を促進すること。さらに、事業者の要望にこたえられるよう、粒子状物質減少装置の装着補助金などについて、十分な予算措置を講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成14年3月28日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣 経済産業大臣 国土交通大臣 環境大臣 宛て
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