産業空洞化対策の推進に関する意見書

 我が国の製造業は、バブル経済崩壊後の長引く景気低迷の下、アジア諸国との製造コスト競争の拡大などを背景に深刻な経営危機に直面している。また、こうしたグローバルな競争が激化する中で、大企業を中心に生産拠点を海外に移す動きが一般化し、産業空洞化が一層加速している。
 こうしたグローバル化の進展に対応し、産学公の連携強化や新規事業への支援、ものづくり等の人材育成、新技術開発への積極的な支援とともに、高コスト構造の改善など、産業空洞化対策を進めることが急務である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を速やかに実現するよう強く要請する。
1国による明確な産業育成ビジョンを提示するとともに、民間企業支援策を盛り込んだ産業空洞化戦略を構築すること。
2エネルギーコストや物流コストの低減、特許取得の手続の簡素化など、あらゆる分野の高コスト構造を改善すること。
3産学公の連携の拡充を図るとともに、大学等の研究機関から中小企業への技術移転を円滑に進めるため、橋渡し役となるコーディネーターの育成、確保を図ること。
4国は都と協力し、東京の臨海部に企業を誘致するとともに、大学・研究施設等も集積させ、日本の産業競争力を高めること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成14年3月28日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 文部科学大臣 経済産業大臣 宛て
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