中小零細商工業者への緊急特別支援に関する決議

 長引く不況に加え、アメリカでの同時多発テロの発生による世界経済への影響により、我が国経済は非常事態を迎えている。さらに、消費者心理に水を差す狂牛病問題の発生などを背景に、需要減退傾向は顕著となっている。加えて、中国などアジア諸国への生産拠点の移転により、東京のモノづくりを支えている中小零細製造業の経営は一段と厳しい局面を迎えている。
 また、先月には都内にある5つの信用組合が破たんするなど、中小零細企業者に金融不安をもたらしている。それに加え、中小零細企業者の事業経営のための資産に対する固定資産税や相続税などは、景気の動向とかかわりなく厳しい負担を強いられ、事業継続への意欲を損なう結果ともなっている。
 一方、雇用情勢も完全失業率が調査開始以来最悪の5%を超えるなど深刻さを増しており、雇用不安が広がっている。
 東京の活力の源泉は、中小零細企業の元気にある。「日本の再生」、「東京の再生」は、東京の中小零細企業の活性化なしには成し得ないことは自明の理である。
 東京都は、先に「緊急雇用・経済東京プロジェクトⅡ」を発表したが、今日の事態を打開するためには、更なる対策の強化が必要である。厳しい社会経済状況の中に置かれている、東京の経済を支え、雇用を支え、地域社会を支える中小零細商工業者に対する、緊急かつ特別な支援が不可欠である。
 よって、東京都議会は、東京再生の中核である中小零細商工業者の活性化を図り、雇用不安を解消するためにも、緊急かつ特別な支援について、以下の事項を実現するよう強く求めるものである。
1東京の産業を支えている、中小零細商工業者に対する緊急融資を始めと した特別支援対策の強化
2雇用機会の確保や雇用のミスマッチ解消のため、緊急雇用事業の積極的 展開や職業能力開発施策の推進
3過重な負担となっている固定資産税等の軽減措置
4国に対する中小企業者の承継税制の改善要望
 以上、決議する。
 平成13年12月4日
東京都議会
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