東京における雇用対策の充実に関する意見書

 我が国の雇用情勢は、完全失業率が調査開始以来最悪の5%となり、東京を含む南関東においては、全国平均を上回る極めて厳しい状況にある。
 さらに、今後の不良債権処理や資本市場の構造改革を柱とする施策の本格的な展開に伴い、企業の経営や雇用に与える「痛み」はますます大きくなることが予想される。
 このような状況に対処するため、都においては、先般「緊急雇用・経済東京プロジェクト」を発表し、総力を挙げて雇用対策に取り組んでいるところである。
 今、日本全体を覆い尽くしている冷え切った消費マインドを好転させるためには、何よりも首都東京の雇用情勢の改善を図ることが急務である。国は、雇用対策に係る地方自治体の果たすべき役割を認識し、今後、都が地域の雇用・就業環境に即したきめ細かい施策を円滑に実施できるよう特段の措置を講じる必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
1自治体の創意工夫により臨時・応急的な雇用機会を確保していくための「緊急地域雇用特別交付金事業」について、継続と交付金の再交付及び雇用期間などの要件を緩和すること。
2雇用のミスマッチの解消に向けた職業能力開発を更に推進するため、今年度で廃止される生涯能力開発給付金に代わる新たな給付金制度創設のための財源を自治体に付与すること。
3都及び区市町村が自ら職業紹介事業を実施することを可能とする制度改正を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成13年10月5日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 厚生労働大臣 経済財政政策担当大臣 宛て
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