私立学校助成に関する意見書

 私立学校に対する助成については、私立学校振興助成法において国の姿勢と財政援助の基本的方向が明らかにされている。しかし、国は平成6年度に、国庫補助の都道府県に対する誘導的役割は終わったとして、私立高等学校等経常費助成費補助金の削減を行い、地方交付税で措置する一般財源化を実施した。国庫補助金の総額は平成12年度において、ようやく一般財源化以前の水準を取り戻したとはいえ、国庫補助割合は、依然として低い水準にある。
 そもそも、私学助成の一般財源化は、同法の精神にもとるのみならず、教育水準の地域的不均衡の要因ともなるものである。特に、地方交付税の不交付団体である東京都においては、影響が非常に大きく、看過することはできない。
 私立学校は、国公立学校とともに公教育を分担し、国民の教育を受ける権利や教育の機会均等を実現する上で大きな役割を果たしている。しかし、近年の児童・生徒数の減少や長引く景気低迷の中にあって、保護者が負担する教育費は増加し、公私格差も拡大する傾向にあるなど、私立学校を取り巻く環境は、かつてなく厳しい状況にある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、平成14年度予算編成に当たり、次の事項を実現するよう強く要請する。
1私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持すること。
2私立高等学校等経常費助成費補助金等の一般財源化を改め、補助金の充実を図ること。
3私立学校助成の一層の充実を図り、保護者負担の軽減を図ること。
4私立高等学校等IT教育設備整備推進事業を創設すること。
5私立専修学校専門課程に対する助成を充実するとともに、高等課程に対する新たな助成制度を創設すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成13年10月5日
東京都議会議長 三田敏哉
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣 宛て
ページ先頭に戻る