東京の緑化促進に関する決議

 都市の緑は、私たち都民に潤いと安らぎを与えるなど都市に生活する上で欠かせないものである。また、近年、深刻な問題になっているいわゆるヒートアイランド現象を緩和するなど、都市環境の改善に寄与するとともに、公園や緑地などは防災上の避難場所にもなるなど、都市を構成する重要な要素である。
 しかし、東京の緑はこれまで減少し続け、平成10年までの約25年間で山手線の内側の面積を超える緑が失われたと言われている。都は、緑の減少に歯止めをかけるため、年内を目途に「緑の東京計画」の策定を進めているところである。ことに23区内に残る生産緑地や多摩地域の都市近郊農業の基盤となる生産緑地の減少は、東京の緑化促進の観点から見て由々しい事態と言わざるを得ない。
 近年、家庭におけるガーデニングや都民参加による公園での緑づくり等の活動も増え、都民の緑に対する関心も高まっている。都としても、公園、緑地の整備に努力するとともに、都民の自主的な緑づくりの活動基盤として、緑地トラスト制度などの仕組みづくりを進め、丘陵地の里山や市街地に点在する雑木林などの緑地保全の取り組みを更に充実していく必要がある。また、建築物の屋上や壁面の緑化について、都関連施設や公共建築物から早急にこれを推進するべきである。
 さらに、都市農業の保護振興の観点に立ち、後継者不足に直面する都市近郊農業の立地基盤の再構築を目指すべきである。
 よって、東京都議会は、東京の緑化を促進するため、都民とともに東京の緑を保全し、創出していくことに全力を挙げるものである。
 以上、決議する。
 平成12年10月4日
東京都議会
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